人間関係におけるWin-Winの関係

今月の研修:社会人の持つべき習慣(基礎2)

一般にWin-Winの関係とは、言葉の通りで自分も相手も利益がある状態のことを指します。

以前の私は、Win-WinはWinをシェアしている関係と考え、それでも魅力的なWin-Winがあれば必ず裏があると考えていました。

そのため私は人間関係におけるWin-Winの関係は理想論に過ぎず、真のWin-Winは存在しないと考えていました。

中にはこのような考えを持っている読者もいるのではないかと考えます。そのような読者に対して、自分の経験を踏まえた人間関係におけるWin-Winの関係についての気づきを記事にしました。

人間関係にWin-Winは存在しないと考えていた

大学3年生の頃、私は自分でお金を稼ぐという目的で不用品回収事業を行い、どうすればマネタイズできるのかをずっと考えていました。

考えて出てきた答えが不用品を無料で回収し、ECサイトで販売するというビジネスモデルでした。

「無料でありがたい」というお話はあったものの、無料にした本来の目的は回収のハードルを下げるためでした。つまり、顧客のためではなく自分のために無料にしたに過ぎなかったのです。

そんな中、キャリア支援団体であるen-courageのユーザーとしてキャリアについての面談をしていただきました。

キャリア面談は無料で受けることができ、面談をしてくださるメンターさんにはお金が入ってこないというサービスでした。

ボランティアのメンターさんに「なぜお金も貰えないのに僕のために時間を割いてくれるのか」と、失礼を承知の上で尋ねたことをよく覚えています。

メンターさんは「無給だとしても、後輩の助けになっているのが嬉しい」と説明してくれましたが、当時の私は共感することができなかったのです。

Win-Winの関係に気づけた

数ヶ月が経ち、私はen-courageのメンターとしてキャリア面談を行うメンター側で活動することになりました。

最初はキャリア面談を通じて後輩を支援したいという強い思いがあるわけではなく、メンターをやることで周囲のメンターから刺激をもらえたり、運営側に回ることで自己成長できたりすると考えて参画しました。

つまり、この時点では損得勘定を持って自分が得だと判断したためメンターをやっていたのです。

しかし、メンターとして面談で後輩の自己分析をしたり、エントリーシートの添削をしたりする中で、後輩の悩んでいた顔が晴れる瞬間を見ることがとても楽しくなってきました。中には私が添削したエントリーシートで人生が変わった後輩もいました。

段々と純粋に相手に価値を提供し、相手のためになっていることが自分の喜びになっていたのです。

今となっては当時のメンターさんの「無給だとしても、後輩の助けになっているのが嬉しい」の言葉にとても共感しています。

私が一番Win-Winを感じた瞬間です。価値提供をした分だけ、相手から嬉しい報告をしてくれます。

人間関係におけるWin-Winとは

以上の経験で私が考えたことは、人間関係におけるWin-Winの関係とは『情けは人のためならず』な関係、すなわち他人のためが自分のためになることで実現されるWin-Winであると考えます。

その間には金銭や物による報酬はありません。

これを実現するためには人間関係に損得勘定を持たないで人に接する必要があります。

逆に損得勘定を持って人に接すると、「得だから関わる」「得をしないから関わらない」という考えになってしまい、本当に困った人を純粋な気持ちで助けることができない人間になります。

たとえ自分が得をする選択肢を取り続けても、やがては利己的な人間と見られ、周りの人からの助けもなくなってしまうでしょう。

もちろん私はそうなりたくはありませんし、読者の方々の中にも同じ考えの人がいると思います。

そこで私は"自分の得を先に考えて行動するのではなく、まずは相手の得を考え、それが自分に返ってくる"という考えで人間関係におけるWin-Winをこれからも追求していきたいです。

これから研修を受ける方々へ

A&PROの研修では理論を学ぶだけではなく、自身が所属している組織に落とし込んで研修を行います。自身の所属している組織で学んだことが体現できているか考え、できていなかったら組織に持ち帰ってチャレンジします。インプットとアウトプットを両方行うA&PROの研修は、社会人で活躍できる人材を目指す学生の皆さんにおすすめしたい研修です。

研修で学んだこと

  • 自己研鑽、息抜きのために第二領域を大切にし、スケジューリングをする
    人生を豊かにするのは緊急度は低くても重要度の高い第二領域である。仕事で忙しくなった場合でも第二領域の時間は確保し、長期的に自分のためになるように努める。
  • 自分を理解して欲しければまず他人を理解する
    他人に寄り添い理解できる人は信頼される上、その人自身も理解してもらえる。相手に話を聞いて欲しければ、まず相手の話を聞くところから始めないといけない。
  • 自分と相手のできることを考えればWin -Winを作れる。
    社会で起こっているWin -Winのケースはリソースを合算したり、足りない要素を補い合ったりしてできている。理想的なWin -Winの関係を作るには自身のできることから考える。
  • トレードオンを意識
    世の中には片方をとるともう片方を失うケースが多く存在する。その際に妥協してなあなあに済ましたり、どちらかが諦めて片方だけを取るのではなく、両方取るにはどうしたらいいのか考える。

この記事の著者/編集者

中都智仁 早稲田大学 教育学部数学科 

早稲田大学在籍。サークルとバイトだけの大学生生活を送っていたが、コロナ禍になり自分のキャリアを見つめ直し、ビジネススクールに入校。
『もっと早くからキャリアを考えればよかった』という後悔からキャリア支援団体のen-courageで早稲田生のキャリア支援をしている。1、2年生向けのイベントを企画する部署のリーダーを務めたり、メンバー採用の最終フェーズの担当者を務めたりしていた。
メンバーの成長を促進する一流のリーダーになるべく、リーダーズカレッジに参画。

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