最善を尽くして結果を出し続けるためのマイセオリーのススメ。
2020.08.28
クレド8.人のせいにせず、常に自分ができること・できたことを考え、最善を尽くす。
組織はフラットであり、常に全メンバーが危機意識を持ち、自分にできること・できたことを考え、改善。自分に都合の悪いことが起きても、人のせいにせず、自分にも原因を求め、サービスの質を高めます。
どんな時も成果を出し続けたい
私たちは最善を尽くしていながら、なぜ毎回成果が出せないのか。
それは「ベストを尽くすのは本番」だと無意識に思ってしまっているからではないでしょうか。
本番でベストを尽くすのはもちろんそうでしょう。そのベストを押し上げるのが事前準備であると考えています。
「そんなこと言われても、相手の出方がわからないから、結果なんてわからない……。」
私は以前そう考えていました。しかしコンスタントに結果を出す人の話を聞いていると、準備の質が違うのです。準備が八割といわれるように、準備段階での設計が結果を大きく左右しているように思います。
最善の結果を出す準備の一つは、実際の場や相手をできるだけ細かく想定し、それぞれに対策を用意しておくことではないでしょうか。理由は単純で、想定すればするほど当日の不確定要素が減るからです。例えばこれからプレゼンがあるとすれば、自分が伝える内容だけ練習をしているのと、立ち振る舞いや視線の使い方、話すスピード、聞き手はどんな人か、どんなことに興味があり、どんな価値観を持っていて、例はどんなものが使えるか、とここまで想定してそれぞれに対策を用意しておくのとでは当日のパフォーマンスに差が出るのは当然でしょう。
上記の例をいきなり実践するのは難しいかもしれませんが、場や相手をできるだけ細かく想定して対策を用意しておくというのは最善の結果を出す上で有効ではないでしょうか。
また、対策を用意する中で意識を向けるべきは自分が何を伝えるかよりも相手に何を受け取ってもらい、どう動いてもらうかを設計することだと思います。なぜなら自分の準備したものを評価し取り入れるのは相手であり、自分がいくら価値あるものを提供したと思っていても相手に届いていないならば、それはただの自己満足に終わってしまうからです。
その設計の細かな仮説検証を繰り返していくことがマイセオリー、つまりは自分なりのコツやノウハウとなり、それが本番のベストショットを導くのではないかと思います。
もちろん、仕事をしながら仮説検証を進められれば良いと思いますが、そこには責任が伴います。なんでもかんでも仮説検証できるわけではありません。そこで、私が行っている仕事以外の仮説検証の場の一例をご紹介します。
その場が交流会です。私はたびたび交流会に出かけ、テーマを決めて仮説検証を繰り返します。直近のテーマは、初対面で会う人との心理的安全の作り方について。交流会で入り口付近に立ってみたり、入ってくる人全員と目を合わせて自然な流れで会釈をしてみたりして、その後誰かが自分を含めた複数人に話しかける機会があれば、自分と目を合わせてくれる回数(他者比)を数えていました。他には、声のトーンや勢いを毎回変えてひたすら参加者にプレゼンを繰り返して相手の様子を観察したり、事前に参加者の情報をある程度知っている場合は相手の反応の仮説を沢山立てて予行練習を行ったり。
このことを積み重ねて確立した、初対面の人に心理的安全を抱いてもらうための私のマイセオリーの一部が以下の通りです。
- 目に優しさを持たせる
- 心を穏やかにする
- 相手の声のトーン・波長に合わせる
- 去り際には手を抜かない
準備や段取りに関する本、つまりパブリックセオリーはたくさん売っていますが、それはマニュアルのようなもの。その隙間を埋めて自分だけの味と価値を出すことができるから、人間がサービスを提供する意味があると思います。毎日がもっと良いサービスや空間を提供するために自分がどう動けるかの仮説検証であり、マイセオリーを作る時間。常に自分がどう動くかを考えるならば、人のせいにすることはなくなるでしょうし、着実に自分と組織を高めていけるのではないかと思います。
これからどう生かすか
この記事を書きながら、私自身もっと準備できることがあると反省しました。メンバーと時間を共にする研修でも、時間的資源は限りがあることを考えた時、無駄なことを聞いてはいられません。相手の何気ない一言や言動から常に仮説を組み立てようと思います。それを繰り返すことで、もっと心を配れるように、また相手と最善の結果を共有できるようにしていきます。
松本 康士朗