支部長として”持続的な成長を遂げる組織を目指した組織マネジメント”を思考する

8月の研修:理念のマネジメント

100人を超える組織のリーダーを務める日々

私は現在、エンカレッジ早稲田支部10期の支部長を務めています。エンカレッジ早稲田支部は100人を超える学生団体で、主に大学3年生を対象にキャリア面談を行うことで”人生を最大化させる”ことを目指しています。

エンカレッジの活動は基本的に約1年間であり、10期の活動は2021年1月から本格的に始まり、11期に引き継ぎ・育成を終了次第(2022年2月目安)引退となります。私は組織の諸事情も有り、7月から支部長を務めています。

サークルのような趣味嗜好の合うメンバーと楽しみあうのではなく、組織のミッション等を達成するために日々、懸命に努力する組織です。そんな組織で代表を務める機会がなかった私は実力不足を露呈し、困惑することが多かったです。一方でA&PROの森口さんや信頼できる仲間を頼りながら、組織創りに取り組んでいきました。

本日はそんな私だからこそ伝えられる”持続的な成長を遂げる組織を目指した組織マネジメント”について考えたいと思います。「組織の目標を達成するためにどんな組織を創るか」は組織・チームを牽引する方はもちろんですが、所属するメンバーの方も思考するべき内容だと思います。現在、活動している組織やチームをより良い方向に導くきっかけになることを目指し、記事を執筆したいと思います。 

  • エンカレッジの特徴
    • 全国47都道府県、113の大学で活動するキャリア支援NPO法人
    • 就職を検討している早稲田生の約半数が利用しているサービスです。*2021年実績参考。
  • サービス概要
    • キャリア選択における視野を広げるためのキャリアイベントやインターンシップの掲載
    • 納得したキャリア選択を支援するキャリア面談(就活を終了した学部4年生・院2年生が担当)

支部長としての責務に向き合い、自身の役目を問う

私達の活動は1年単位で全運営メンバーが切り替わるという特徴があります。そして目の前の顧客、所属しているメンバー、早稲田支部の実績に力を尽くすことは私が果たすべき使命の1つです。

しかし、実際に支部長を務める中で、目の前の顧客、所属しているメンバー、早稲田支部の実績に力を尽くすことは重要ではありますが、その先を見据える必要はないのだろうか、と考えるようになりました。

自分の代が引退しても意思やノウハウが引き継がれ、世代を超えて発展し続ける組織こそ、様々な関係者から期待され続ける素晴らしい組織だと思うからです。

そして試行錯誤を繰り返す中、支部長として短期的な成果を大事にしつつ、長期的な発展にも貢献できている、そんな未来に誇れる代を創り上げること、これが支部長として目指す組織になりました。

未来に誇れる代にするために、必要なマネジメント手法を問う

就活テクニックを教えるのではなく、自身のありたい姿を明確にし、それを叶えるサポートをする私達のサービスに私は誇りを持って活動しています。運営体制交代に伴い、顧客への価値提供の質が下がる組織では当然未来に誇ることは出来ません。また、この人がいたから機能していたという属人性の高い組織は常に不安定であり、残り続けることは難しいでしょう。簡単に崩れない強固な基盤をもとに発展し続けるために必要な文化・マネジメント手法は何かを考えていたところ、私は理念のマネジメントという素敵な考え方に出会いました。

理念のマネジメントとの出会い

理念のマネジメントの特徴はチームによる経営手法であることです。理念・使命・理論に基づいた人や意見に従うため、常に正しい方向を向いて成長する組織になります。常に理念・使命・理論で判断することで、組織の戦略や方針に一貫性が生まれます。また、組織の目標達成等のために誠実な言動を行うメンバーを尊重し、成長を支援します。故に組織にとって必要な人財も育ちやすく、魅力的な組織文化/人財を有する素晴らしい組織に変化していきます。

*補足ですが、理念のマネジメントと対比関係にあるマネジメント手法は「権威のマネジメント」と考えられます。個人による経営手法が特徴で、権威ある人や好きな人に従う文化です。目標達成への貢献度以上に権威者との関係維持が上手い方が報われるため、組織・人財のレベルが徐々に低下していくと思われます。

理念のマネジメントが支部を本当に良くするかを問う

世の中には様々なマネジメント方法があります。紹介したような、権威のある人や好きな人に従う権威のマネジメント、理念・使命・理論に基づいた人に従う理念のマネジメント、その中間にあるマネジメント方法等様々な方法が存在します。私自身、サークルや学生団体、会社(長期インターンシップ)などに所属していましたが、マネジメント方法は組織ごとに異なっていました。マネジメント方法には正解はなく、組織の目標を達成する上で最適な組織創り・組織マネジメントを行うことが大切です。

理念のマネジメントに出会った私は、このマネジメント手法が組織を本当に良くするものかを考えました。先述したように組織の目標を達成する上で最適であるかを見極める必要があるからです。検討をした後、私は理念のマネジメントを取り入れたいと考えました。組織を創る人財の重要性に気付いた経験があったからです。

理念のマネジメントを支部に取り入れたいと考えた背景

支部長として感じた1番の苦悩

支部長として担う仕事は支部全体を動かす重要な方針策定や意思決定ばかりでした。非常に困難な仕事で、1人で行うことに不安や限界を感じましたし、1人で決定し、組織全体を動かすことは不可能に近いと考えていました。故に組織を共に創る仲間の重要性を体感していたのです。

しかし、誰を頼れば良いか分からないという問題がありました。支部長として重要な仕事を託すからには、信頼できる人財に託したいが、適任者が分からないという状況です。そんな中で心から頼った人財は支部で掲げている理念に共感し、誠実に努力を重ねるメンバーであることに気付いたのです。

  • 好き嫌い等で物事を判断せずに、組織の理念や目的を問い続けながら、目標達成のために逃げずに努力をし続けられる人
  • 裏表がなく、誰からでも信頼を積み重ねている人

そんな仲間が周囲にいてくれたおかげで、なれあいのチームではなく、組織が主語である真のチームが生まれてきました。私のいないところでも存分に活躍してくれるメンバーがいてくれることは何よりも心の支えになりましたし、私自身メンバーから学ぶことは多かったです。

誠実に努力をする人財を重宝し、組織を発展させる

理念・使命・理論に基づく優秀な人財が良いサービス、良い文化を創り出します。持続的な発展を遂げる組織を目指すためには、誠実に努力をする人財が重宝される環境が必要です。そんな人財と共に組織を主語にした決断を繰り返すことで、組織が路頭に迷うことなく、盤石な組織創り・持続的な発展を遂げる組織を実現させることが出来ると感じました。私の目標である、未来に誇れる代のためには理念のマネジメントが大切だったのです。

組織は簡単に変わらないからこそ、仲間を創る

組織の理念・使命・理論に基づいた誠実な努力をする人を応援する仕組みを創り上げることは組織の大きな発展に繋がります。彼らの言動は関係者から尊敬されるものであり、彼らのサービスを受けたい、彼らと一緒に活動したいという気持ちを生み出します。支部の中で尊敬されるべき人が尊敬され、その人の良いところを真似しようとすることで、支部全体として人財育成を自然に出来る仕組みを整えられるからです。また、活動しているメンバーが魅力的であれば採用活動にも大きく貢献します。

組織を人財から強くするために、誠実なメンバーを応援する

組織の理念・使命・理論に基づいた誠実な努力をする人を見つけ出すことは難しいと思います。私達の団体は100人を上回っており、100人の言動を観察することには無理があります。故に私は2つの方法を取り入れたいと考えています。

1点目はリーダーの育成をすること2点目は定性的な活動内容を中心としたFBを行うことです。前者に関しては、支部長として幹部を育成し、幹部がメンバーを育成できるようにするために行います。後者に関してはFBをする相手にどのような言動を評価・感謝しているかを伝えます。その際に組織の理念・使命・理論に基づいた誠実な努力を評価・感謝することで、求められる言動を認知させ、そのような言動をより活性化させます

定性的な側面に目を向けることで、定量的成果を生み出す

前提として定量的な成果への公正な評価も行いますが、定量的な成果は外部要因等による影響が大きいこともあります。一方で定性的な言動は外部要因等による影響は少なく、個人で変化させられるものです。目標達成に向けて最後まで諦めずに取り組むなどといった言動はいずれ定量的な成果も生み出すものであり、多くのメンバーがすぐに取り入れられる素晴らしい行動であると思います。

定量的な成果を出すため、メンバーの成長を促すために、メンバーの定性的な側面に目を向けたFBが非常に重要です。FBを通じて、組織の理念・使命・理論に基づいた誠実な努力をする人に育成していくことが可能で、仲間作りにも寄与しています。

大きな決断を繰り返す葛藤と勇気に向き合うことでより良い組織を実現

支部長になった際、想像以上に自分が大きな権限を有していることに気付きました。権威のマネジメントによって「好き勝手」に組織を創り上げることも出来たと思いますし、その方が楽かもしれません。一方で、組織の発展を願い、未来に誇れる代を実現する仲間を増やすため・誠実に努力する仲間が報われてより活躍するため、理念のマネジメントを取り入れることを決意しました。

これは勇気がいることだと思います。何かを変えることには必ず痛みが伴いますし、マネジメント方法や人事領域等の改革はすぐに成果が出るものではありません。人の目に変化が映りにくいからこそ、メンバーに意義を問われたり、不満を口にされることもあります。

すぐに成果が出にくいけれども、大切なことに目を向けられていますか?

すぐに成果が出にくいけれども、組織のことを考えたら取り入れるべき大事なこと。組織の長期的な発展を担うリーダーとして、組織の視点で物事を考え、変革すべき内容に足を踏み入れる勇気と覚悟が必要です。大きな決断に不安が伴うときもありますが、自分自身が組織の理念・使命・理論に基づいた決断が出来ているかを鑑みること、誠実な努力を行う仲間と意思確認をすることが自身の支えになり、一歩踏み出すことが出来ています。

支部の方向性を伝える、月に一度の総会で支部メンバーと撮影した写真です。

最後に

100人を超える学生団体でのリーダー経験。私は今非常に稀有な経験をさせて頂いており、大きな感謝の気持ちがあります。支部長になったからこそ、気づいた視点や考え方が沢山あります。理念のマネジメントもその内の1つです。これらの気付きを支部はもちろん、読者の皆様も含めた周囲の方々に還元できるように日々活動していきたいと考えております。改めまして、いつも日々支えて下さる方々に感謝を申し上げます。ありがとうございます。そして今後とも宜しくお願い致します最後に支部長としての気付きと研修で学んだことを掲載しますので、是非ご覧ください。

支部長としての気付き

支部長を務めた気付きとして、支部長に求められる力を言語化してみました。私自身まだ身についてるわけではないと思いますが、何か参考になれば嬉しいです。是非ご覧ください。

  • 意思決定能力
    • 支部長の決定の影響力は非常に大きく、必要な判断材料を収集し、正しい意思決定を繰りかえす必要があります。自己のビジョンを持ち合わせながらも組織を主語にした決断を行う。また、行った意思決定を成功に導く責任が伴います。
  • ヒューマンスキル
    • 支部の手本となる言動が求められ、リーダーのスタンダートによって人が育つことを実感しました。限られた時間の中で成果を創出するために、多くのメンバーと建設的かつ良好な人間関係を構築する力、相手に正しく伝え、正しく行動してもらう力、相手の力を引き出すコーチング力、問題発見と改善策提案力等、様々なヒューマンスキルが必要だと感じました。
  • 変革力
    • 組織状態に満点の状態はないと考えるようになりました。理想的な支部を創り上げるために自己・他己・組織を変革し続けることの重要性を学び、これにより持続的な発展を遂げる組織になると考えています。
  • ポジティブ思考
    • 時に思い通りいかず、上手くいかないことも多々あると思います。物事を成功・失敗の2つの観点で捉えるのではなく、失敗の中でも良い点や良い変化をポジティブに捉えることが大事です。そして、思考を切り替えて再度挑戦してみましょう。

研修で学んだこと

また、研修で学んだことも言語化しました。記事の振り返り等にご活用ください。

  • 権威のマネジメントの特徴は個人による経営手法であること。権威ある人や好きな人に従う文化である。
  • 理念のマネジメントの特徴はチームによる経営手法であること。理念・使命・理論に基づいた人や意見に従うため、常に正しい方向を向いて成長する組織になる。
  • 理念のマネジメントを勉強・実施するメンバーを大切にすることが人財育成の基本であり、良い組織を創り上げる秘訣である。

この記事の著者/編集者

須賀渉大   

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。大学3年時までは海外インターンシップ事業の運営、国内外ボランティア、教育系の長期インターンなど様々な活動に尽力。大学4年時には日本最大のキャリア支援団体の早稲田支部長として100人を超える仲間と、事業・組織共に持続的な成長を遂げる団体の基盤創りに挑戦。ボランティアで深刻な社会課題を目の当たりにした経験から「日本を課題解決先進国にしたい」と考えている。社会人では金融とデジタルの分野で専門性を磨き、将来は社会的価値と企業的価値を両立した事業、組織創りに携わり、社会問題の解決及び日本の変革への貢献を志す。

するとコメントすることができます。

新着コメント

  • 久野 滉大

    2022年10月21日

    組織の長期的な発展を担う責任をもち、組織の目標を達成するために最適なマネジメントに取り組む須賀さんの覚悟と誠実さが伝わる記事でした。
    支部長という立場で大きな権限を持っている中でも、組織を主語にし、最適な決断を勇気をもって繰り返されていると感じます。リーダー自身がメンバーの定性的な側面や誠実な努力を評価することと同時に、そのように評価されたメンバーが他のメンバーからも応援される環境を整えることも大事だと思います。私もそのような決断ができるリーダー、そして誠実な努力を重ねる人を応援できる人財であり続けたいと思います。

    いつもありがとうございます。
    これからも共に未来に誇れる組織を作り上げていきましょう。

  • 香山 渉

    2022年10月18日

    須賀さんの「未来に誇れる代を創りたい」思いが直接伝わってくるかのような思いで拝見しました。
    以前、「未来の代が真似したいと思いながらもなぜか上手くいかない」そのような代を目指していきたいとお話されていたのが印象的で、自分自身も今の代のメンバーだからこそできることをやっていきたいと思うようになりました。また、変革を恐れずに勇気と覚悟を持ってこれからも驀進していきます。

    いつもありがとうございます。

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