学びの「実」は次なる好奇心の「種」となる

クレド7.好奇心旺盛、常に学べ

我々の活動における身近な事柄に興味を持ち、深く学ぶ事を大切にしていきます。

(報連相・記憶のメカニズム・ブランドマネジメントなど)

教え上手は当たり前、学び上手であれ。仕事を通じて、人生を豊かにする人間へと成長していきます。

はじめに

「興味を持ったことに取り組み、確かな成果や学びを得る」

これは、人間が社会的に成長する上で当たり前に実行されています。だから人間は趣味に没頭したり、パートナーと一生を過ごしたり、見聞を広めたりするのです。

一方、「何かに取り組んで得た学びを、次の好奇心へつなげる」

ことは、簡単なようで難しく思えないでしょうか。人間は達成感に満たされたとき、それ以上の何かを得ようという意欲は薄れてしまいがちだからです。

実際の日本語の表現としても、「花開いた」「実を結んだ」のように、学びや成果を「得る」ことに注目した表現は豊富ですが、その後の好奇心への繋がりを表す表現は豊富ではありません。

果たして我々は、「学んだだけ」でいいのでしょうか。本記事では私のNPO団体での一年を例示しながら、「学びを次の好奇心につなげる」ことの大切さ、楽しさを伝えていきます。

NPO団体での一年を振り返って

私はこの1年間、大学生のキャリア支援を行うNPO団体で活動していました。その経験はまさに、「好奇心が学びに代わり、次なる好奇心へ移っていった」ものでした。

団体で活動する上での「好奇心」

『「大学生」という顧客と継続的に対話を重ねながら、組織内のメンバーとも継続的に対話を重ねることで、周囲を適切な方向へ導けるようになりたい』

これが私の団体での想いでした。だからこそ、顧客やメンバーの課題の本質を探ることにこだわり、「なぜ?」「具体的には?」というという問いかけをしつこいほど続けていました。

言い換えると、「コーチ型」のリーダーシップに興味を持ち、実践を重ねていたと言えます。一人対一人という構図を常に作り、目の前の相手の真のニーズを探して解決することは、難しくもあるものの楽しく、やりがいを感じていました。

その取り組みは、確かに結実しました。顧客である就活生からは、「原さんに任せてよかった」という声を多数貰い、声をかけなくても「原さんに見てほしい人がいる」と連絡してもらうことも増えました。メンバーからも、コミュニケーションの部分を「原の強みだ」と言ってもらえる機会は増えました。

活動を経て芽生えた新たな「好奇心」

一方で、より深めたいことも見つかりました。それは、「ビジョンを強く掲げて周囲に浸透させる」姿勢です。

今までの自分は、「目の前のことをやっていればいい」と責任感だけで動く傾向がありました。

しかし顧客やメンバーと話す中で、「原はどんな人になりたいの?」「原はどんなことを成し遂げたい?」と聞かれる場面も少なくありませんでした。その時の自分は、「一応の」ビジョンについては説明できても、100%の自信と熱意を持った答えができていなかったのです。

だからこそこの一年間を通して、将来像が明確な人に意識が向くようになりました。団体内にも、この姿勢に秀でたメンバーが多くいました。

例えば、私と同じ部署で部署長を務めていたメンバーは、「ダサくてもかっこいい、そんな男になる」という夢を、学園祭のステージ上にて大声で叫んでいました。

私は大勢の前で叫ぶタイプではありませんが、絶叫できるぐらいの決意を持って自分の夢を「伝えられる」ことは尊敬すべきだと思っています。同時に、私自身もWillを持って行動し続けることが大切だと学び、それを実践する人たちの生き方に好奇心を持つようになりました。

社会人の自分に向けて

私はこの三月で大学を卒業し、四月からは社会人となります。つまり今は、大学生活で得た「学び」を更なる「好奇心」に変えるための、絶好のタイミングと言えます。

そして幸いなことに、未来への確固たるビジョンを持つお客様と多く関わる仕事に就きます。彼らの「夢を本気で掲げ、追いかけていく」姿勢は、自分に足りないビジョナリーなピースを埋める上で、大きなヒントとなるはずです。

だからこそ、お客様の掲げるビジョンを外部から評論するのではなく、共同体として伴奏する意識を持って関わりたいと考えています。お客様から得る一回一回の学びを味わって咀嚼しながら、今は想像もし得ない所まで好奇心を呼び起こしたいと考えています。

おわりに

ここまで私の経験を基に、「学びから好奇心を得る」ことの重要性を説明してきました。回りくどく述べていますが、主張自体は当然なものだと思います。なぜならば、「ゴール」は自然界に元来定義されておらず、人間が後付けで設定したに過ぎないからです。

例えば植物であれば、「実がなる」という出来事自体も「ゴール」ではなく、「次なる種が蒔かれる」ための通過点でしかないのです。人間も本来同様であるはずで、学びにも終わりは必要ありません。つまり、学びの「実」を次なる好奇心の「種」にどうつなげるかこそ、成長の本質なのではないでしょうか。

皆さんにとって身近な学びはいくつも想定できます。身近な人の良い所を盗んだり、身近なチームの良い文化を吸収したり、身近な趣味からも学ぶことはたくさんあるはずです。そして、「自分だったらその学びをどう生かせるだろう?」「もっとこんなことをしてみたい」と考えることは可能なはずです。

皆さんは「やったこと」「できたこと」に満足して、「学んだだけ」になっていませんか?目に見えない小さな好奇心でも構いません。とにかく学びの「実を拾って、好奇心の「種」を蒔きに行きましょう!

この記事の著者/編集者

原駿介 早稲田大学 商学部  

エンカレッジ早稲田支部 CC副部署長

神奈川県川崎市出身。
積極的に行動できる性格と丁寧な対話力を活かし、これまで数多くリーダーポジションを経験。
高校の生徒会組織において代表の一人を務め、大学ではサークルとゼミにおいてそれぞれ副代表を務める。
現在、大学生のキャリアについて考えるNPO団体エンカレッジに所属し、1,2年生向けサービスを統括する副部署長を務めながら、後輩たちの育成を行うプロジェクトでも活躍。

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