能力に応じたサポートで成長へと導く

今月の研修:「報告・連絡・相談」

 前回の記事では「個々の状況に最適なアプローチを」という題名のもと、相手の状態に応じたコーチングを取ることが必要であることを述べました。今回は状態ではなく、能力に応じてメンバーを成長させるにはどのようなサポートをすべきかを焦点に当て、記述していきます。

4種類の「じんざい」と成長段階

A&PROは、「じんざい」を以下のように判断力と決断力の二軸から4種類に分類します。

 上の図のように決断力、判断力がとも揃っている人を「人財」、判断力はあるが決断力に欠ける人を「人材」、決断力、判断力ともにない人を「人在」、決断力はあるが、判断力に欠ける人を「人罪」と定義します。

 組織において最も気をつけなければならないのは「人在」ではなく「人罪」に分類される人です。なぜなら、「人罪」の人は巻き込む力があり、パワーで間違った方向へ組織を引っ張って行ってしまう可能性を秘めているからです。彼らには一回説得を試みて、「人在」へ変わってもらう必要があります。

 いうまでもなく、理想とする「じんざい」は決断力と判断力を兼ね備えている「人財」です。前の段落でも少し触れましたが、人を人財へと成長させるには、人罪→人在→人材→人財と段階を踏むことが必要になります。それぞれ分類された段階に応じたアプローチをとり、メンバーを成長させることがリーダーとしての責任になります。

領域に応じたマネジメントを

 私はキャリア支援団体の活動で、1・2年生向け長期インターン紹介事業の立ち上げを目指すチームのリーダーとして活動しています。チームは私を含めて4人が所属しており、私はリーダーとしてマネジメントも任されています。

 私のチームでは先月まで自分が先頭に立ってプロジェクトを進めてきました。しかし、4社の企業の長期インターン掲載が決まったことでひと段落ついたため、メンバーに裁量権を持たせて私がそれをサポートするような形に切り替えました。具体的にはAさんに長期インターンを学生に訴求する際の面談セクションとの連携を任せ、Bさんには新しく長期インターンにエントリーした学生へのフィードバック制度の立ち上げをまかせている状態です。

 仕事としてはどちらも同じような難易度であったため、今月のビジネス基礎研修を受けるまではどちらにも同じようにサポートしようと考えていました。しかし、研修を受けてからAさんとBさんに合わせて手法を以下の通りに変えてみました。

 Aさんは決断力・判断力がやや欠けていると感じることがあり、一人で物事をやり遂げることが難しいと考えました。加えて、本人も不安を感じていました。そのため、ここでいう「人在」に分類し、逐一2人で進捗の確認を取り、一緒に考えて「判断力」を身につけさせ、「人材」になれるようにサポートをすることにしました。このように共同作業に近い形で成功体験を積ませようと考えています。

 Bさんはある程度の判断力がある一方でやや決断力に欠けると考えているため、「人材」に分類し、Aさんよりも裁量権を持たせてプロジェクトを進めてもらう形にしています。具体的に、自身でスケジュール決めを行なわせてそれに基づいて自分で仕事を進めてもらい、最終確認と相談窓口だけ私が担う形にしています。こうすることで「決断力」をつける経験を積ませて、「人財」へ導きたいと考えています。

 AさんBさんそれぞれ特性がありますが、私は2人とも成功体験ができるようマネジメントをしていきたいと考えています。成功体験することで2人にはそれぞれ次のステップへと成長してほしいと考えています。

最後に

 今回の記事では以下の2点をテーマに書きました。

  • 「じんざい」は4種類に分けられること
  • 「じんざい」の段階に応じて成長するようサポートすること

以上を実践し続けることで、リーダーとしてメンバーの成長に貢献したいと思います。

この記事の著者/編集者

小川勇 早稲田大学 政治経済学部  

サークルの後輩や同期のキャリアの関心度が低いことを課題に感じ、それを変えるべくキャリア支援NPO法人『エンカレッジ』に加入。現在は1・2年生に向けてオンラインイベントを通してキャリア支援を行なっている。加えて、長期インターンの分野で学生と企業のマッチング事業の立ち上げのリーダーとしても活動している。

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