まずは「自分」からそして「組織」へ
2021.01.04
今月の研修:社会人として持つべき習慣(私的成功)
はじめに
チームの理想状態ってどのような状態だと思いますか?
この言葉を聞いて、
- 組織の目的に向かって、メンバーが同じ方向性を向いて活動している状態
- メンバー同士でコミュニケーションを取り、相乗効果を生んでいる状態
- 一人ではできない仕事がチームで実行可能になっている状態
などを思い浮かべた方はいるでしょうか。
あくまで私は上記のような状態が一つのチームの理想の形だと考えており、今回のA&PROの研修で得た学びをこの記事で紹介したいと思います。
3段階の組織フェーズ
では、早速下記の図を参考にして、3段階の組織フェーズについてご紹介します。(今回は依存と自立を扱います。)
③のような相乗効果を発揮する理想の組織状態を作るためには、
①依存の状態②自立だけの状態を乗り越えなければならないのです。
依存状態とは
みなさんの身の周りで他人に責任を押し付けている人はいるでしょうか。
具体的に①の依存の状態を改善するには何をすべきでしょうか?
そのためには、まず何故、依存状態になってしまうのかを説明します。
依存状態とは、
- 他人が〇〇してくれないから、私は〇〇できなかった。
- 環境が〇〇なので、私は〇〇できなかった。
自分自身の経験を見直した時に思い当たる節はありませんでしょうか?
何かうまくいかないことがあると、ついつい自分以外の責任にしてしまうことは誰にでもよくあることだと思います。これを聞いた時に、自分もグサグサ刺さりました。笑
このように、行動しない自分を正当化する時に、自分の責任を自分以外の何かに押し付けてしまうことを依存状態(他責思考状態)と言います。
依存状態は危険?
上記のような依存状態をそのままにしておくと非常に危険です。実際に私の今の学生団体でも同じような依存状態に陥ったことがあります。
私が所属しているキャリア支援団体のエンカレッジのメンバーの多くは普段学生として、バイトや長期インターン、卒論など様々なプライベートタスクを抱えています。とても働き者ですね。しかし、メンバーからはこのような声が聞こえてきます。
「ごめん。他のタスクが忙しくて、〇〇できなかった。」
一見しょうがないことにも感じます。ちなみに自分も同じ経験をしたことがあり、とても反省しました。
しかし覚えておいてください。
この場合、他のタスクが忙しいことが問題ではないのです。
本当の問題は、たくさんタスクが重なっているのに、自分のスケジュールを管理できなかった自分自身にあるのです。
そして依存状態であると、組織は同じ過ちを繰り返してしまいます。この場合、環境の問題を環境の責任のまま放置しておくと、忙しくなった時にまた同じような問題が起こり、組織に迷惑をかけることになります。
つまり組織課題を解決することができない組織になってしまうということです。
自立状態の思考法
さて、お待たせしました。
いよいよ、このような依存状態を抜け出すための思考方法をご紹介したいと思います。
それはインサイドアウトとアウトサイドインです。
- インサイドアウト…自分→隣人→チーム→組織全体へと思考する
- アウトサイドイン…組織全体→チーム→隣人→自分へと思考する
依存状態の人は、自分以外の「隣人」「チーム」「組織全体」「環境」などに責任転嫁する傾向があります。これは典型的なアウトサイドインの考え方です。
一方でインサイドインの考え方はどうでしょうか?
自分が起点として、問題を解決するように思考がされています。
こちらのケースで考えてみましょう。
「ごめん。他のタスクが忙しくて、〇〇できなかった。」
- 自分自身に何か落ち度がなかったか?
- 自分のスケジュールをしっかり管理しておけば、この問題は起きなかったのではないか?
など、自然と自責思考ができます。
まずは自分自身の課題に目を向けることで自己成長は最大化できます!
これが自立をしている状態です!
インサイドアウトの応用
さて、問題が発生した時に、まずは「自分」を起点に考えることで自己成長を遂げ、自立した人間になれることを紹介してきました。
ここではインサイドアウトの考え方をフルに活用すれば、組織にいい影響を与えることができるということをご紹介します!
インサイドアウトは自分→隣人→チーム→組織全体へと思考を展開します。
以下のケースをまた扱います。インサイドアウトを発揮すると以下のような思考ができるようになります。
「ごめん。他のタスクが忙しくて、〇〇できなかった。」
- 自分…まずは自分のスケジュール管理を徹底しないといけない
- 隣人…他の人も同じようなことで悩んでいないかな?
- チーム…隣人も同じような問題が起きているなら、チームで改善するべきだ
- 組織全体…同じ問題が組織全体で起きているなら、仕組みを変えるべきだ
いかがでしょうか?
得てして、自分だけに問題が発生していることはなかなかありません。
その場合、まずは自分から変えることで自分自信を成長させることができます。
さらに隣人→チーム→組織へと目線を変えることで、環境要因や仕組み、仕事のプロセスの問題点に気づけるようになります。
このようにインサイドアウトの考え方は、自分自身だけでなく、組織全体を良い方向に導くことができます。
まだまだ私も未熟ですが、インサイドアウトの思考法を自分の団体でも活用していきたいと思いました。
これから研修を受ける方々へ
11月の研修のテーマは、「社会人が持つべき習慣」についてでした!今の自分がいかに学生レベルだったのかを見直すとてもいい機会になりました。
社会人に持つべき7つの習慣は、一見当たり前のことに感じるかもしれないですが、その当たり前をできていないこと。当たり前を積み重ねてこそ、信頼は生まれるものだと改めて教わりました。
研修で学んだこと
- パラダイムシフト…ある結果が出ない課題に対して、考え方を変換させることで大きな変革を起こすこと。
- 依存から自立・自律、そして相互協力・相乗効果という理想の組織体制へ
- リーダーシップとマネジメントの違い…リーダーシップは適切な目標を定めることを指し、マネジメントは目標に向かって効率的に物事を進めることを指します。
田村稔行 早稲田大学 基幹理工学部 情報通信学科