主体性を引き出すために・・・
2019.10.20
■コーチング理論 実践1
大切なのは、欲求レベルの向上
今回の研修では、コーチングをするための前提知識として必要なマズローの欲求5段階・マグレガーのXY理論について復習したのち、実際に直営塾ヘウレーカに在籍している生徒に対する、よりよい具体的なアプローチの方法を模索しました。そもそもA&PROでは、コーチングをする際の基本的な考え方として、以下の2つを掲げています。
- 目的・目標とモチベーションを結びつける
- 目標に向かって主体的に努力できるよう導く
そして今回私は、根幹であるマインド面に関わる1つ目の考え方に関連して、生徒の目的・目標とモチベーションを結びつけるためには、どんなコミュニケーションをとるべきなのかについて、ある意味当たり前のことの重要性を再認識しました。それが、生徒の欲求レベルを段階的に向上させることです。
例えば、塾で学ぶ事自体が初めての生徒に対しては、まずはお互いの信頼関係を築き、ヘウレーカという環境への所属欲求を満たすことが必要です。また勉強へのモチベーションがなかなか上がらない生徒に対しても、以下のようなアプローチが考えられます。
- 大学という環境への所属欲求を掻き立てることにより、生徒自身に行きたい大学を考えさせる。
- 偏差値や人気度といった高いハードルを越えることで、周囲からの承認を得たいという欲求を掻き立てる。
- 自己承認を得るために、生徒自身が設定した基準により志望校を定めさせ、そこに向かっての努力を促す。
- 大学に入ってどんなことを実現させたいのかを考えさせ、マズローの欲求5段階における最上位の自己承認欲求を掻き立てる。
ここまでたくさんのケースに言及してきましたが、全てに共通しているのは常にワンランク上の欲求を引き出していることです。周囲から適度な期待をされたり、自分がレベルアップしたりすることに対して、人は誰しもプラスの感情を抱きます。生徒が今どの段階にあり、次に目指すべきステージは何なのかを適切に見定める。そしてワンランク上の欲求を引き出すことができれば、本当の意味で、生徒の主体性を引き出すことができるのではないでしょうか。
これから研修を受ける方々へ
ここまでは学習塾特有の話題が中心となっていました。しかしコーチングは、「導く側」と「導かれる側」が存在するすべての場面に関わることは言うまでもありません。親・上司などの立場になったとき、皆さんの多くが必要とするコーチング。ぜひ一度、学んでみませんか!?
研修で学んだこと
- コーチングにより、相手の潜在的な自己実現欲求を引き出すことができる
- X理論の状態にいる相手に対しては、コーチングではなく圧倒的なティーチングを短期間で行うことが重要で、これにより将来的には、Y理論に基づいたコーチングにシフトすることができる
- 組織内での生存・安全欲求を満たしてあげるためには、その組織内での役割・存在価値を認識させてあげることが有効である
川瀬 響