責任・権限・義務を活用して組織の成果を最大化する
2020.07.18
責任・権限・義務は、自らの手で新たに設計するもの
■今月の研修 責任・権限・義務
今回の研修では「責任・権限・義務」について学びました。責任とは、あるミッションを成し遂げるために果たすものであり、そうした目的遂行のために必要なツールが権限、そして権限をもつのと同時に必要となるルールが義務です。この研修は、私自身昨年も学んだ内容ですが(関連記事はこちら:「責任を取って辞任」「責任を全う」この違いとは?)、今回の研修をきっかけに、新たに「マネジメント」という視点から研修内容を振り返ることで、以下の新たな気づきを得ました。
「責任・権限・義務を明確に設定し、組織全体に浸透させる」ことが、リーダーがチームに対して行うべき最も重要な役割の1つである。
私は直営塾ヘウレーカで、上司の方々からたくさんのフィードバックを頂きました。そしてその中には、責任・権限・義務の考え方に基づいたものが数多くあります。例えば、私が教室運営責任者として勤務していた際、生徒が授業予定のない日時に間違えて来塾してしまった、というケースを考えてみます。
当時の私は、通常時のマニュアル対応に終始し、結果生徒を帰宅させる対応を選択。後に私は、教室で自習することを生徒に提案しても良かった、とのフィードバックを上司から頂きました。というのも教室運営責任者には、文字通り、教室運営上最善の対応を取る責任があります。
今回のようなケースの場合、「教室での自習には事前申し込みが必要」という原則に最初から当てはめるのではなく、自身が果たすべき責任とそれに伴い発生する権限・義務の範囲で出来ることはないのか、こういった考え方が必要でした。
この経験は私に、常に自分のもつ「責任・権限・義務」に立ち返って対応をしていくことで、その時々の最適な行動がとれる、と教えてくれました。こうした具体例に限らず、「責任・権限・義務」の考え方は、仕事をしていく上でとても役立ちます。
私は現在、キャリア支援に関わる80人規模の学生団体において、サービス利用者数という量的な目標に責任をもつチームのリーダーとして、組織全体の成果の最大化を日々考えています。そして自身がこれまでに取ったメンバーとのコミュニケーションを振り返ると、1つ1つのやりとりが「責任・権限・義務」の考え方に基づいていたか否かが、そのメンバーだけでなく、チーム全体のパフォーマンスの出来不出来を決めていたように思います。そして多くの場合、リーダーが「責任・権限・義務」を言語化し、メンバー全員と共有することが必要でした。
例えば、月毎の目標数値を各メンバーに追ってもらう際のことです。メンバー1人1人には、その目標達成方法を検討・決定する自由、いわば権限を与えていましたが、その達成状況を逐次報告する義務を明確には伝えられていませんでした。結果、成果をなかなか出せない人へのケアが後手後手に回ることに。リーダーとして、権限と義務を正しく設計し、メンバーに伝えることが出来ていなかったのです。
こうした「責任・権限・義務」を明確に設計し、全員に浸透させることこそが、リーダーの役割です。仕組み自体が完成されていない立ち上げ間もない組織には、大企業のように指揮系統が元々明確な組織以上に、こうしたリーダーの存在が重要になってくるのではないでしょうか。メンバー1人1人にはどこまでの責任があり、そのもとでどんな権限と義務を持っているのか、こうしたコミュニケーションを常時取ること、これを今後も実践していきます。
これから研修を受ける方々へ
チームとして仕事をする上での一番の基礎となるといっても過言ではない「責任・権限・義務」は、言葉自体は聞いたこともある方がほとんどかと思います。しかし、実際に行動に落とし込んで使えるようになるには、まずは正しく学ぶことが必須です。私自身も、1年前・今回の研修のおかげで、理論と実践を結びつけて考えることが出来ました。大学生のうちに学ぶからこそ、価値がより高まる研修、皆さんも受けてみてはいかがでしょうか!?
この研修で学んだこと
- 責任は取るものではなく、持つもの・全うするもの・果たすものである
- 権限と義務は対になる
- 権限は付与されるものである
- 想定外の事にも対応できる状態でいることが、責任を果たしている状態
- 判断力と決断力の度合いによって、人は『人財・人材・人在・人罪』に分けられる
藤原穫