「個人」から「組織全体」に広げ、サービスの質を大きく変える

■今月の研修 サービス理論(基礎1)

サービスの質は組織全体で上げていく

突然ですが、みなさんは組織で仕事をする上でこのように思ったことはありませんか?

  • サービスの質が個人の努力やスキルに依存してしまっている。
  • みんなそれぞれで頑張っているが、なかなか組織全体として成果につながらない。

無形サービスは物体がないため、提供する人によって左右される変数が大きくなります。だからこそ、組織全体として一貫性を持たせたり、全体で成果を出すというのは難しいことも多いですよね。

結論から先に言います。

あなたがリーダーとしてそのような場合にやるべきことは、上手くできる方法=良いナレッジを全員が再現できるレベルで展開していくことです。

無形サービスは、先述した短所もありますが、自分なりに相手の反応を見てより良いものに磨き上げることができます。だからこそ、良いナレッジがそれぞれで多く生まれやすいのです。

みなさんは、メンバーそれぞれの良いナレッジをそのままにしていませんか?
また、うまくいかない原因を「個人差があるから仕方ない」とそのままにしていませんか?

無形サービスの欠点を乗り越え、良いナレッジを組織として標準化することができれば、全体としてサービスの質を上げ成果を出すことができます。

今回はその方法について考えていきたいと思います!

良いナレッジは具体的だからこそ展開できる

良いナレッジとはずばり、「実際に成果を出している、価値を出せているメンバーやチームの方法」と言えます。

良いナレッジを全体に展開するためには、このような良いナレッジを「行動レベルで具体的に」広めることが大切です。

では、なぜ「具体的」である必要があるのでしょうか?

その理由は、以下の二点が挙げられます。

  • メンバーが自分はすでにできていると勘違いすることを防ぐ
  • メンバーが自分の方法にすぐに取り入れやすい

私自身の例から考えてみましょう。

ターニングポイントは具体的に自分の課題を知ったこと

私は、キャリア支援の学生団体で採用部署に所属していました。そこでは、後輩に学生団体の良さを伝え参加してもらうための面談を行っています。

私自身、団体の窓口として団体に親しみやすさを持ってもらうために、明るい口調で話すことを意識し自分なりに工夫していました。しかし、忙しいなどといった理由でなかなか参加してもらうことができず課題感を感じていました。

ところが、あるタイミングから私は少しずつ結果を出せるようになりました。

そうなった理由は、採用をとてもうまく進めているメンバーに面談の録音を共有してもらったからです。具体的なセリフの言い回しや会話の流れを知ったことで、うまくいく人の方法と自分の方法の差を学ぶことができました。

例えば具体的には、私はプレゼンのように一方的に団体の良さを伝えていたのですが、その子は「イメージつく?」や「ぶっちゃけこれ、わかる?」と言ったように頻繁に相手に質問して会話のように相手を引き込んでいたのです。

それによって、相手の不安や懸念がどこにあるのか・本当に求めていることが何かが明確になり、相手が欲しい情報をその場で的確に伝えることができていました。
そして、相手がより団体を身近に感じ参加するイメージを湧かせることができていました。

意識していたことは一緒でも、明確にやり方が違っていたことに気がついた瞬間でした。

明確な差は具体的な方法にあることがわかります

このように、成果を出している人のやり方を意識レベルだけではなく行動レベルまで「具体的に」見ることで、自分との差に気づき自分の課題が明確化されます。そして、自分のできていない部分を克服できる良いナレッジを取り入れやすくなります。

おそらく、成果を出している人の「意識していること」を聞くに留まっていたとしたら「自分もそれは考えている」と感じてしまい課題解決にまでいかなかったと思います。

だからこそ、メンバーには良いナレッジを具体的に知ってもらう必要があるのです。

ナレッジを知る機会を増やしていく

では、良いナレッジはどのようにしたら展開できるようになるのでしょうか?

先述したように、私は実際の業務を生で見たり、やりとりや行動の具体例を知ったりすることで自分に生かすことができました。

つまり、具体的な良いナレッジを知ることができる機会を多く作ることが重要になってくるのです。

例としては、

  • メンバーが成果を出している人の業務に同行できるようにする
  • 研修や講習会などで、良いナレッジをロールプレイで練習する機会を作る
  • ミーティングなどで悩みや課題をディスカッションできる場を作り、成果を出している人に答えてもらう
  • 成果を出している人のやりとりやうまくいく行動の具体例をドキュメントやインタビューなどで全体に発信する

などが挙げられます。

ここで重要なのは、「メンバーが全く同じように良いナレッジを再現できるか?」を指標として、「ナレッジが行動ベースか」を考え展開することです。

もし、上記例のような施策をやっても効果が出ない場合は、展開される良いナレッジが抽象的でメンバーが完全に再現できていないということです。
そのような再現できないナレッジに価値はありません。

冒頭に述べた通り、組織全体で成果を上げるためには、「良いナレッジを全員が再現できるレベルで展開していくこと」が大切なのです。

再現できる行動レベルのナレッジを具体的に知ることができて初めて今度はそれを真似してみることができます。そして、組織全体として良いナレッジを自分のものにしていくことができ、最終的に成果に繋がるのです。

最後に

今回の研修では、以下のことを学んできました。

  • サービスの質を上げて成果を出すためには良いナレッジを展開し標準化させる必要がある
  • そのナレッジは具体的であることが重要である
  • ナレッジを広めるために、その具体例に触れる機会を増やしていく必要がある

組織全体としてあまり成果が出ない時、どうしても「個人の頑張りが足りない」と属人的に課題を解決しようとしてしまうこともあると思います。

しかし、組織としてたくさんのメンバーと一緒に動いているならば必ず良いナレッジを持っている人がいるはずです。個人で解決しようとせずに全体でより良いナレッジを標準化できれば、組織は大きく前に進むことができるのです。

これから研修を受ける人へ

あなたの組織の成果を出している人はどのようなことを意識しているかわかりますか?そして、具体的にどのように成果を出しているか知っていますか?

今回私はサービスの基礎を学ぶことで、この質問に答えられないことが重大な問題であること・事前に組織全体のナレッジを底上げする重要性に気がつくことができました。

他にもサービスを考える上で大切な観点がたくさんあります。

自分たちの活動にとって何が大切なのか・課題なのかを明確にしたい方、組織の目標が達成できず悩んでいる方はぜひ一度研修を体験してみてください!

研修で学んだこと

  • 無形サービスは「無形性」「非分離性」「変動性」「即時性」という4つの特徴を持つ
  • 消費行動を見ながら生産できるという長所を生かさないならばサービスは有形にした方が良い
  • サービスは目に見えないため、提供物を具体的に事例やデータを使ってイメージさせる必要がある

この記事の著者/編集者

河本のぞみ  早稲田大学 文化構想学部 

キャリア支援団体においてチームリーダーを務める。自分に足りないところに向き合いながら憧れの存在に近づくために日々試行錯誤している。
部活:バスケットボール部キャプテン(中学時代は公式戦で一度も勝てなかったほどの弱小校。)
サークル:バスケサークル幹事長(学外の大会で優勝経験があり)
家族構成:起業している母と修行している父。プロアメフト選手の兄。

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