約束を守ることは誠実さの表れである
2020.06.01
研修を通じて気づいたこと・今後に役立てられること
一度失った信頼を取り戻すのは難しいという話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。研修の際に、信頼は約束を守ることにより生まれるという信頼のメカニズムの紹介がありました。この信頼のメカニズムについて気づいたことを書こうと思います。
「自分に対してどれだけ相手が誠実であり続けたかが、人が相手の信頼の度合いを決める指標である。そして約束が守られたことは、相手が自分に誠実であろうとし、実際に誠実であったということの表れである。だから信頼は約束を守ることにより生まれるのだ」と考えます。
研修で知ったことは、「信頼は約束を守ることにより生まれる」ということでした。しかし極端な例を考えると、一度約束を守っただけでとても信頼されるとか、約束を破ってしまったら絶対に信頼されないとか、そういうわけではないと思います。これらのことから、信頼は「約束を守る/守らない」よりも深い部分の何らかによって生まれるのではないかと考えました。その何らかのものが、「相手への誠実さ」でした。
なぜ相手への誠実さにより信頼が生まれるという考えに至ったかを、約束を破ってしまった時の例をもとに説明します。約束を守ることが続けば、あの人は約束を守る人だと信頼されます。また、勿論一度合意した約束を守ることは大前提ですが、約束を破ってしまったとしても、その後の行動次第で信頼の損なわれ具合が異なります。これが、信頼は相手への誠実さから生じると考えた理由です。
例えば、相手が約束を破ってしまったとしても、相手が事前に約束を守れなさそうであることを伝えてくれたり埋め合わせをしたりなど、誠実な対応を取った場合はそこまで相手の信頼度合いは下がらないのでしょうか。一方で、相手が約束を無断で破り反省した様子も見せない場合、その相手への信頼は著しく損なわれるはずです。
このように、相手への信頼の程度は相手が自分にどれほど誠実だと感じるかに依ると思います。そして約束を守るという行為は、相手に自分が誠実であることを示す効果的な振る舞いなので、約束を守ると信頼が生まれるのだと感じました。
また、新たに信頼関係を作る際には積極的に約束を結び、それを守ることが重要です。さらに、相手から自分がどれだけ信頼されているかは自分が相手の約束をどれだけ守ったかで測ることができます。一度失った信頼を取り戻したい人には相手に対して誠実な姿勢を見せ続け、相手に自分は誠実だと再び認識してもらう必要があります。そのため、信頼を取り戻す際にも積極的に約束を結びそれを守るというのが、信頼関係を再構築する近道になるのではないでしょうか。
心境の変化
以前の学生生活では、多少待ち合わせの時間に遅れても許されるだろう、というような甘えた部分がありました。しかし研修で上記のような信頼の話を聞いたり、時間が延びて待たせてしまったことを指摘されたりして、本気で自分のことを考えてくれている相手に対し自分も本気で向き合おうという思いが強く生じました。大学生同士ではよくあることとして許されることでも、社会人の間では許されないことなのだと痛感しました。社会人としての信頼関係は約束の積み重ねに基づいて形成されるので、今のうちから練習しておくことが大事だと思います。
3日間の実践記録
研修で学べたこと・感じたこと
- 信頼は守った約束の積み重ねにより生じる
- まず相手の話を120%集中して聴いて、その本質を深めるために質問をする
- 目的・本質を見極め、さじ加減を調節
- パワフルクエスチョン
- 口先/思い/行動は異なる
- 挨拶は、自分が準備できていることを相手に伝える行為
- 正直と誠実は異なる
- 社会人の学びは、価値をもらうだけでなく、価値を提供すること
- コーチングとティーチングの違い
これから研修を受ける方々へ
ここまで読んでくださったことで、学んだことの一部はお見せできたのではないかと思います。研修前は、研修を通してリーダーシップに関する実践的なことを学ぶのか、という程度のことしか内容は知りませんでした。研修を通し、コーチングの理論を学んだり実際にロールプレイで実践したりして成長できたと思います。全力で研修に取り組んで、自分を高めたいという思いがある人にとって、この研修は間違いなくこれからの人生の大きな糧になります。一方で、あまり向上心の無い人にとってはこの研修は苦痛でしょう。向上心のある方は、是非この研修を受けることをお勧めします。
A&PROより
「正直と誠実は違う」
この話を聞くと、私はいつもアメリカの人気シンガーソングライター、Billy Joelの『Honesty』という曲が思い出されます。Honestyの和訳には、しばしば「正直」ではなく、「誠実」が充てられており、この曲では、「表面的な優しさや一時的な慰めは簡単に見つかる。でも、誠実さというのは滅多に他人から感じられるものじゃない。他人から本当に得たいのは誠実さなんだ」ということが唄われています。この曲がヒットした理由の一つは、誠実さとは得難いものだという歌詞に多くの人が共感したからでしょう。そしてまた、自分から相手に誠実さを示すのも、一朝一夕にはいかないものです。
しかし、福井さんは、この3daysの研修を通して、相手に誠実さを持って接すること、そしてその先に、相手との信頼を築くことの過程を、大いに学んだのではないでしょうか。誠実さは口先だけでは示せません。自分の振る舞い、行動に移して初めて、相手に伝わるのです。そして誠実さを示すための第一歩こそ、約束を守ることなのです。
しかしここで気をつけたいのは、約束を守ることは決して小手先の技術ではないということです。"約束を守ることは誠実さの現れ"...相手のことを真剣に考える心、誠実さという健全な土壌があってはじめて、まいた約束の種は、信頼という実を結ぶのです。
私は研修風景を見学していましたが、福井さんには他者に対する想像力、相手のことを真剣に考えようとするマインドがしっかり備わっているなと感じました。自ら積極的に約束を取り付け、守る。そうして相手との信頼関係をより深めていく。そんな素敵で、誠実な社会人として、福井さんには羽ばたいていって欲しいなと思います。これからもリーダーズカレッジで共に学び、実践し、一流のリーダーへの道を駆け抜けましょう!応援しています!
(リーダーズカレッジ:山中)
小川勇 早稲田大学 政治経済学部