チームメンバー一人一人の知的創造がチームの大きな相乗効果を生む

今月の研修:社会人が持つべき習慣(私的成功)

チームにおけるリーダーの仕事は多岐に渡りますが、一つ大きいことをあげるとすればチームのゴールや理想を描くということがあると思います。
しかし、ゴールや理想を描くことを担うのは、本当にリーダーだけなのでしょうか。

今回の記事では、11月の研修をもとに相乗効果を生むチームについて考えていきたいと思います。

個人の軸を持つこと

研修内容は、書籍『7つの習慣』をより発展させ、社会人が持つべき習慣について考えるものでした。その中に、知的創造と物的創造についての話がありました。

まず知的創造とは第一の創造と言われ、目的・目標の設定やそこに至るまでの計画を指します。
物的創造は第二の創造と言われ、知的創造をしたものを実際に作り出すことを指します。

知的創造と物的創造について考えてみると、リーダーの役割を担っている人は、チームの基盤づくりや方向性を定めるという意味合いにおいて知的創造を行う割合は大きいでしょう。

その前提の上で、私はチームメンバー一人一人が知的創造をし続けることが、より大きな相乗効果を生むためには大切なのではないかと思います。なぜなら、相乗効果はチームメンバー同士の軸(価値観や理想像)の掛け合わせであり、それぞれの軸を深化させていくことで、チーム全体のゴールや理想像が大きくなるからです。

一つの目的に向かうチームに所属しているからといって、自分の軸について考えるのをやめてしまうと、人任せや他責の状態を生みかねません。また、チームで何かしらの提案が出た際にも、その案に乗るか乗らないかという二者択一の考えになってしまいます。

試行錯誤を重ねながら自分の軸(価値観や理想像)を常に深化させていくことで、何か提案があった際にも、自分の持つ軸と照合し、より良い提案ができるかもしれません。

また、自分の軸を深化させながらも、相手との違いを尊重し理解しようとすることも大切でしょう。相手とのコミュニケーションによって新たなものの見方(パラダイムシフト)が生まれます。上の図でも分かる通り、自分の中にあるものだけでは相乗効果を生み出すことはできません。

たとえば、私は来春を目標にSocial Impactという団体で、キッチンカーを使って大学を巡り、コーヒー等を販売することになりました。コンセプトにはソーシャルグッドを組み込む予定です。ソーシャルグッド(Social Good)とは、「社会」に対して良いインパクトを与える活動や製品、サービスを指します。

キッチンカーを運用するというアイディアも、まさに相乗効果の中で生まれました。もともと私は飲み物全般がとても好きで、喫茶店巡りを趣味に持っています。そして自分の人生設計を考えた時に、40歳あたりで自分の喫茶店を持ちたいと思っていました。

そしてSocial Impactの代表は社会活動家が集うまちづくり(ソーシャルタウンを実現する)を目標に活動しており、その中の施設として喫茶店を開きたいと思っていたそうです。その前身としてのキッチンカーということになります。

「飲み物を売る」という視点から捉えると、相乗効果ではなく単なる意見の一致のように思えます。しかし、私はこの代表とだからこそ、今キッチンカーで出店するアイディアに乗ったのだと思います。この代表との活動であれば、私が計画していた直近の行動計画よりも、私が目指す世界に近づくと感じたからです。加えて、これまでの活動の中で理解し理解されるという積み重ねからなる信頼もありますし、お互いのビジョンや軸を互いに深化させながら活動してきたということもあります。

このように、自分の軸を常に深化させつつ、チームでコミュニケーションを重ねながら長い目で自分の軸と照合させることでチームの相乗効果を生むのではないでしょうか。

これは私に限ったことではありません。キッチンカーに携わるメンバーは、所属しているSocial Impactの理念に向かいながら、それぞれ目的と強い意思を持って参加していることで、「みんなで作り上げよう!」という雰囲気が生まれています。

これは一例ですし、まだ構想段階です。しかし、メンバー一人一人が知的創造をし続けていてくことは、相乗効果が生まれるチームを作っていく上で大切なことだと思います。

これから研修を受ける方々へ

どのような仕事に就くとしても、社会人が持った方が良い習慣というのは存在するのではないでしょうか。本研修では、書籍『7つの習慣』の内容をそのまま学ぶのではなく、さらに発展させた内容を学ぶことができます。講師の方からだけでなく、他の参加者とのディスカッションを通して学ぶことも多いです。みなさんもそのような時間を通して、社会人として持つべき習慣を学びながら、自分の活動に応用させる方法を考えてみませんか。

研修で学んだこと

  • 依存するメンバーでは強いチームは作れない
  • お金や時間等の制約を取り払うことで見えてくるアイディアもある
  • 影響力を無責任に広げすぎないことの重要性
  • 目的を持って始めることの必要性

この記事の著者/編集者

向井七海 早稲田大学 文学部  

小学生の頃からずっと世界平和を目指しています。平和を考える中で哲学に惹かれ、高校時代ドイツに留学。そこでシリア難民に出会ったことをきっかけに、大学では中東・イスラーム研究コースに所属。多文化共生や日本語教育を学びながら、大小問わず「平和をつくりだす」ことを目指して活動しています。

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