2021年に大地震が来る!?企業の緊急時対応マニュアルの作り方

今月の研修:災害時・緊急時の対応

緊急事態に備えておくことは、企業にとって必須です。企業の危機管理レベルが高ければ、大切な従業員やお客様、取引先の人々を守ることができます。また、復旧までの期間も短縮することが可能です。そのためには常日頃から準備を怠らないことが大切になります。今回の研修では、大地震発生時の危機管理対応を中心に緊急時の対応を学びました。その内容をもとに、マニュアル作成時に注意すべきことをまとめたので、対策の見直しや確認に役立ててください。

30年以内に大地震が発生する確率

地震

自然災害、特に地震災害については、いつ、どのくらいの規模で発生するかを事前に予測することは困難です。しかし、近年は全国各地で大地震の発生が相次いでおり、近いうちにまた大地震が起こる可能性は高いといわれています。

たとえばよく話題に上がるのが南海トラフ巨大地震。約88年周期で大地震が起こるといわれている南海トラフで最後に大地震が起きたのは1944年と1946年です。そのため、政府の地震調査委員会はM8.0~9.0の巨大地震が今後30年以内に80%の確率で発生すると公表しています。しかも南海トラフ大地震と連動して富士山が噴火するともいわれています。これがもし現実に起きれば、大被害になることは間違いありません。

震災

また、首都直下型地震についてもよく耳にしますが、こちらは30年以内に70%の確率で起こると予測されています。とはいえ、30年と言わず近いうちに起こるという説が濃厚のようです。過去の記録と照らし合わせると、1100年前の平安時代にも現代と同様の地殻変動が見られ、869年に三陸沖を震源域とする貞観地震が起きています。そしてその9年後に相模・武蔵地震が起きました。さらに9年後の887年には南海トラフを震源とする仁和地震が発生しています。

つまり、2011年から10年経った2021年は、いつ首都直下地震が起きてもおかしくないというわけです!同様に、南海トラフ大地震も30年どころか10年以内に発生する可能性が非常に高いことが分かります。

もちろん、それ以外の地域でも注意が必要です。東日本大震災以降、プレートのあちこちに歪みが生じているため、震災前よりも内陸地震は約3倍に増えているといいます。危険がすぐそこまで迫りつつあることを意識し、普段から防災に備えておくことが必要です。

参考:NHK「災害列島」

普段から準備しておくべきこと

防災グッズ

地震発生時には迅速な判断力と行動力が求められます。災害時に発生する混乱や環境の変化の中で素早く的確に対応するためには、あらかじめ地震発生時や被災直後の初動体制について頭に入れておくことが必要です。そのためには、事前にマニュアルを作成して読み込んだり、定期的に避難訓練をして感覚を鈍らせないようにしたりすることが重要になります。

特に覚えておくべきこととしてA&PROには「地震対策5行動」という簡易マニュアルがあります。

  1. 安全確保・出口確保
  2. 安全確認(応急処置)
  3. 情報収集・避難準備
  4. 一次避難
  5. 二次避難

地震が起きたらどのように動いたら良いか、何に注意すべきかを明確にしたうえで、研修ではマニュアルに沿って適切に行動できるよう、一人ずつ指導者役になって避難訓練を繰り返し行いました。このように実践的な危機管理対策をすることが、いざという時に身を守る術となります。

また、地震発生時には、電気・ガス・水道等の供給が停止したり、社員や利用者、クライアントなどが被災したりする可能性があります。会社自体が津波や火事、倒壊などで被災することも考えられるでしょう。そのため、被災後すぐに事業やサービスを再開するのが厳しいことも予想されます。日頃からできる地震対策として、安全確保の取り組みだけでなく、どのように事業を継続・復旧するかについてもマニュアル化しておくことが重要です。

マニュアルを作成する際は、東日本大震災を始めとする過去の地震災害で発生した課題を踏まえながら、起こり得る被害をあらかじめ想定して対策を講じておくことと良いでしょう。また、中小企業BCP策定運用指針を活用するのも良いですね。詳しくは下記の参考リンク先をご参照ください。無料ダウンロード可能なファイルもあります。
※BCPとはBusiness Continuity Planの略。事業継続計画のこと。

参考:中小企業庁

危機管理のさしすせそが行動の基本

AED

最後に、地震を始めとしたさまざまな危機に対応するために押さえておくべき5つのポイントをご紹介します。料理の「さしすせそ」は有名ですが、危機管理の「さしすせそ」については初めて知る方も多いのではないでしょうか。これは、しっかりとした危機管理体制を築くために押さえておきたい基本の型のことです。「さしすせそ」のそれぞれの言葉には諸説ありますが、ここでは以下の内容をもとにお話しましょう。

  • 「さ」…最悪を想定して
  • 「し」…慎重に
  • 「す」…素早く
  • 「せ」…責任を自覚して
  • 「そ」…組織的に対応する

最悪を想定して準備する

マニュアルを作成する時や危機管理研修では、最悪を想定して動かなければいけません。なぜなら、最悪の事態をあらかじめ想定して準備しておけば、そのような状況でも落ち着いて対応できるからです。物事を楽観視せず、常にあらゆる可能性を想定して対策を講じることで、一人ひとりの危機管理意識を養うことができます。

どんな状況でも慌てず慎重に動く

緊急時にはパニックに陥りやすくなりますが、冷静さを欠いては命取りになります。「早く避難しなければ」、「大勢の人が向かう方向にとりあえず行こう」などと短絡的な思考で動いてはいけません。焦りは禁物です。推測で動かずに必ず正確な情報を得てから行動するようにしましょう。

素早く判断・行動をする

避難

緊急事態においては一分一秒が大きな意味を持ちます。時間を無駄にすることなく、素早い判断と行動を心がけなければいけません。そのためにも普段から十分に対策を取っておき、状況に即してすぐに動けるようにしておきましょう。ただマニュアルを覚えるだけでなく、A&PROのように定期的に危機管理教育を行うと効果的です。

責任を自覚して最後まで全うする

あなたが教師なら生徒を守る義務がありますし、会社の経営者なら事業をスピーディーに再開させる責任があります。自分の立場にふさわしい立ち居振る舞いをして、責任を果たすことが大切です。

周囲と連携を取り、組織的に対応する

大地震のように個人では乗り切るのが難しい場面に遭遇した場合、周囲と協力体制を築くことで生存確率や復旧スピードを上げることができます。そのためには一人ひとりの危機管理能力を高めて、有事の際に役割を進んで担う人材育成が重要です。

これから研修を受ける方々へ

勉強

今回の研修を受けるまで、私は災害時や緊急時の対応について軽く考えていました。しかし、今はそんな過去の自分が恐ろしいです。世の中には知っていれば防げた事故や救えた命が多々あります。何か起きた時に「知らなかったから」では済まされません。ですから、有事が起こる前に危機管理トレーニングができて良かったと心から思います。

A&PROの研修は学校の避難訓練よりも本格的ですし、企業ではなかなか難しい「自分自身が指揮する」という貴重な経験ができるので、学生にも社会人にもおすすめです。いざという時に、あなたやあなたの大切な人たちを守れるように、A&PROという組織を最大限に活用してもらえたらと思います。

研修で学んだこと

  • マニュアル頼みではなく主体的に動けるようにする
  • 瞬時に動くこととマニュアルを見て動くことを分ける
  • 優先順位をつけてトレーニングする
  • 安心感を与えることが大切

この記事の著者/編集者

久保井美愛   

上智大学外国語学部卒。社会人として仕事に必要なノウハウや心構えを学ぶためにA&PROの研修に参加。大の読書家で、のべ5,000冊以上の本を読んできた本の虫。かつて「図書室の門番」という異名を付けられたことも(笑) 本から得た知識や自身のスキル・経験を活かして、皆さんに価値あるものをお届けします。

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