「あなたの意見を述べなさい」問題の答え方【小論面接】
2022.01.01
学習塾ヘウレーカ・小論文面接講座担当の遠藤です。
医学部を受験する生徒向けに、小論文と面接についての記事を毎月連載しています。ご参考いただけると嬉しいです。
※掲載している内容は小論文・面接の基礎知識です。これをもとに自身でアウトプットし、添削を受けて修正することで、スキルを向上させましょう。
今回は、「あなたの意見を述べなさい」という問いの答え方についてご紹介したいと思います。
思いついたままに意見しないこと
この問いは小論文・面接どちらでも直面する可能性があります。
しかし特に小論文では、ある程度の量の文章を論理的に記述しなければならないため、単に思いついたことを書き並べるだけでは完成度の高いものは作れません。
重要なのは、どの切り口からどのような流れで意見を述べるかを考え、それに沿って論を展開していくことです。
こうすれば、一貫した意見をわかりやすく述べることができます。
以下では、その切り口や、論の進め方の候補となるものをご紹介します。
これは、テーマ型小論文の「キーワードタイプ」の設問で、問いを立てる方法としてご紹介している内容とも共通するところがあります。
問題提起→解決策の提案
どのような問題があるかを示し、それに対する解決策を述べるという流れです。
例えば少子高齢化がテーマであれば、労働力不足を問題に挙げ、解決策として移民の受け入れを促進することを提案します。
この流れにすると構成を立てやすいため、わかりやすい文章に仕上げることができます。
賛否とその理由
これは課題文型の小論文で特に有用なのですが、提示された意見に対して賛成か反対かを、理由とともに述べるという流れです。
例えば課題文で筆者が「思いやりは大事だ」という主張をした場合、「私は筆者の主張に賛成である」から議論を始め、思いやりが大事である理由を述べればよいことになります。
また、課題文で筆者が重要だと主張していることに対して、説得力のある反対意見を述べることは難しいのですが、これができれば高得点も期待できるでしょう。
先ほどの事例でいえば、「思いやりが大事だ」という意見に対して反対するには、「ときには個々人の思いやりよりも社会の大きな仕組みのほうが重要だ」のような意見が考えられます。
誰にとって重要か
一般的に重要だとされる事項が提示されたとき、それが特に誰にとって重要なのかという議論をすることもできます。
例えば「他の世代から学ぶことが大事だ」というテーマが提示されたとしたら、医療従事者に焦点を当てて、以下のように書くことができます。
特に医療従事者にとって、他の世代から学ぶという姿勢は重要だ。なぜなら、超高齢社会において高齢者の患者が多い中で、患者からも学び取るという視点を忘れずにいることで、患者を尊重しながら治療を行うことができるからだ。
どのような場面で重要か
「誰にとって」のほかに、「どのような場面で」という切り口も考えられます。
前述と同じ「他の世代から学ぶことが大事だ」というテーマであれば、例えば問題解決の場面について書くことができるでしょう。
問題に対する解決策が必要な場面では、多様な意見を取り入れて考える必要があるため、自分とは異なる世代の人々からアイデアを聞くことは効果的だ。
重要性は増しているかどうか
出題されたテーマは現代において(昔よりも)重要性が増しているかどうか、という問いを立てることもできます。
例えば予防医療というテーマであれば、新型コロナウイルス感染症が拡大していることと、生活習慣病が主要な死因の多くを占めることから、今まで以上に予防という観点が重要になっていると言えるでしょう。
何を伝え、何を伝えないか
以上、「あなたの意見を述べなさい」と問われたときの答え方について、様々なパターンをご紹介しました。
このようなパターンがあるということを頭に入れておくことは、議論をどのように進めるべきか考えるうえで役に立つでしょう。
また、議論の切り口と流れを定めたら、そこから逸脱する内容は思いついたとしても述べないということも重要です。思考した内容を全て伝えたくなってしまう気持ちはわかりますが、全てを伝えきる必要はありません。
それよりも、一貫していてわかりやすい、全体としてまとまっている論述を目指しましょう。
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新着コメント
2022年01月07日
医学部受験生(小論・面接)や慶應受験生(小論)からの信頼も厚い遠藤先生。
パターン化し、分かりやすく指導してくれます。
就活生にとっても心強い存在です。
来年度はリーダーズカレッジとのコラボもできると面白そう!!
2022年01月10日
文章にしてまとめるのは得意ですが、口頭だと頭に浮かんだことを次々と述べてしまったり、要約せずにすべてを伝えたりしてしまうことがあります。
会話においても、伝えるべきことの取捨選択を事前に行うことが大切だと改めて気づけました。
会話しながらでも瞬時に判断できるよう日頃から訓練していきたいと思います。