自分を客観視し、冷静に提案できるコミュニケーションを取る

今月の研修:アサーティブ研修

理想的なコミュニケーションの型と基本姿勢

今回の研修では、コミュニケーションの種類について学んだ上で、理想的なコミュニケーションの姿勢、そしてDESC法という建設的な伝え方を学び実践を行いました。

コミュニケーションはいくつかの型に分けることができ、攻撃的なAggressive型、受け身のPassive型、作為的なPassive型、そして理想的なAssertive型があります。これらの型について詳しくは下記の記事を参照ください。

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普段のコミュニケーション以上に、相手と意見や感情の対立が起こるような場面においてこそ、アサーティブなコミュニケーションを心がけることで、円滑な会話を生むことができます。

DESC法

DESC法とは、アサーティブに相手に要求を提案するための方法です。以下の4つから成り立っています。

  • D-Describe:事実を簡潔に伝える
  • E-Express:自身の感情を伝える
  • S-Specify:責任を持って適切な提案をする。第2案、第3案も準備する
  • C-Consequences:提案が実現した場合の効果を「嬉しい」「助かる」といった言葉で表現する

この中でも特に、Dの部分とSの部分にポイントがあると考えています。

Dの部分で活用できるものとして、アサーティブなコミュニケーションを取る際意識すべき7つの基本姿勢として学んだ中の一つをご紹介します。

感情中立的に相手を認め尊重しながら、必要ならば何度でも繰り返し言い続けること

これは、相手が感情的である際、相手がそのような感情を持っていることを認めた上でコミュニケーションを取るということです。自分が相手の感情の存在を受け止めて会話をしているという、誠実な姿勢を相手に伝えることができます

Sの部分も重要です。相手の事実、感情と向き合うことができたとして、その後の提案がなければ、課題の対応は進行しません。アグレッシブなコミュニケーションは往々にして対立やトラブル時に起こるでしょうから、その会話を提案によって建設的な方向に導くことが望ましいでしょう。

自分を客観視するためにも事実確認をする

このような方法や意識すべき姿勢を知っていても、実際の場面で用いることができなければ円滑なコミュニケーションを取ることは難しいでしょう。私の場合、実際の場面でDESC法のうちDEを使うことのできた機会がありました。

私は現在、英語サークルに所属しており代表を務めています。その中で、幹部の同級生(A君とします)が中心となり開催する、年に1度のOBOGの方とのイベントがありました。プログラムの全体設計やOBOGとの連絡など、A君が指揮を執り準備を進めていくというのが本来の役割分担になります。しかしながら、彼の仕事の細部が暗黙のうちに私に回されることが何度か続き、彼に仕事の分担について注意することがありました。

A「先輩への告知なんだけど、やっといてくんない?」
私「それって本来はAの仕事だよね。他にも『あの仕事が終わってない』ってのを見つけた時にいつの間にか俺がやることになっている場合が少なくないと思うんだ。それで、今回に関しては、ここ数日課題が立て込んでいることもあって厳しいんだよね......」
A「まあ、確かにそうだけどさ。はーい、今回はやっとくよ」

この例では、事実を十分に伝えることができておらず、提案とその結果を伝えることもありませんでした。つまりはDESC法のうちDが不十分で、SとCの部分は行うことができていませんでした。結果、相手は渋りながらも承諾するという形になりました。

ただし、不十分ではあったものの、事実の確認により自分の感情を抑えることができました。彼と話す際、お互いサークルへの想いもあることからか、今まで幾度か感情的になりかけることがありました。しかし、分担している役割という事実を確認することで、自分が本当に状況を勘違いせずに理解できているのかを確認することとなり、ふっと一時的な感情がおさまりました。その上で今回は他にもやることがあって難しい、という伝えることで、その仕事は彼の責任のもとに行ってもらうことができました。

責任持った提案をする

では、どのように伝えるのが適切だったでしょうか。今回であれば、次のように伝えることで、DESCを伝えてアサーティブにコミュニケーションができるでしょう。

私「Aは俺にその仕事をやってほしいってことだね。でも、それは本来はAの仕事だよね。他にも『あの仕事が終わってない』っていうのを見つけた時に、いつの間にか俺がやることになっていることが少なくないと思うんだ。それで、今回に関しては、俺はここ数日課題も立て込んでいて。俺が予定として困っているっていうのもそうだけど、Aには幹部としてちゃんと責任を果たしてほしいな。 今回に関しては仕事をやってもらえると嬉しい。それと、改めてどこまでをお互いの分担にするか話し合わない?

研修中にもロールプレイを行いましたが、事実を認めた上で相手の立場・感情を理解し、その上で提案ができるかどうかが重要だということを学びました。いかに事実や感情を伝えることができても、その先の解決策を提示できなければ、対立している相手にそれを望むことは難しいため、建設的にその先の状態を進めることはできないでしょう。

このようなアサーティブなコミュニケーションの真価は、相手の感情が高ぶっていたり、意見がぶつかったりする、アサーティブなコミュニケーションを行うことが難しい場面において発揮されます。そのような場においても冷静に提案を行うことができるようになるためにも、普段からアサーティブな提案を考え、積み重ねていくよう心がけます。

これから研修を受ける方々へ

本記事ではDESC法に着目しましたが、根底にある誠実・率直といった姿勢も同等かそれ以上に重要です。A&PROではそのような姿勢を学んだ上で、学んだことをその場でアウトプットする機会を設けています。周囲のメンバーが実践する姿を見たり、逆に周囲からフィードバックを得たりすることで、効果的に経験値を積むことができます。そのような場を魅力に感じる方はぜひA&PROの研修へお越しください!

研修で学んだこと

  • コミュニケーションの種類
  • 4つの柱(誠実・率直・対等・自己責任)
  • 7つの基本姿勢
  • DESC法

この記事の著者/編集者

田村稔行 早稲田大学 基幹理工学部 情報通信学科  

高校時代から英語の部活、サークルでの活動を続けており、現在は理工学部生向け英語サークルの代表をしています。
更に、大学1、2年生がキャリアついて考える機会を提供すべく、キャリア支援NPO法人「エンカレッジ」で活動中。他のリーダーは4年生が務める中、唯一3年生として、記事執筆やSNSでの発信を行うセクションのリーダーを務めています。

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