メンバーの成長を促すWin-Winなチームを目指して

今月の研修:社会人の持つべき習慣(基礎2)

みなさんは、メンバーに仕事を任せることができていますか?

「みんな忙しそうで仕事を振るのが申し訳ないな…」
「人に任せるより自分が仕事をした方が早い」

などの理由から、ついつい自分が多くの責任を負って仕事をしてしまうという人もいるのではないでしょうか。

これは一見、メンバーの忙しさを気にかけてあげる優しいリーダーに見えるかもしれません。
しかし、このような状態は本当にお互い幸せになれていると言えるのでしょうか。

人間関係におけるパラダイム

人間関係におけるパラダイムは以下の6つに集約されます。

  1. Win-Win:自分も相手も勝つ。それぞれの当事者が欲しい結果を得る。
  2. Win-Lose:自分が勝ち、相手は負ける。自分のために相手を蹴落とす。
  3. Lose-Win:自分が負けて相手が勝つ。相手が幸せになるならば、自分は常に踏み台でかまわない。
  4. Lose-Lose:相手も自分も負ける。相手に勝たせるくらいなら足を引っ張って共倒れしたほうがマシ。
  5. Win:自分の勝ちだけを考える。自分が勝てば相手がどうなろうと構わない。
  6. No Deal:取引しない。白紙に戻す。

冒頭のような、メンバーに任せることができず自分が仕事や責任を負ってしまっている状態は、Lose-Winな関係に当たります。相手にとっては本来やるべき仕事が少なくなって自由な時間が増えるためWin、一方自分は自己を犠牲にして責任範囲を超える負担を負っているためLoseというわけです。

そして、このような状況に陥りやすい人が多くいると考えます。

そこでこの記事では、Lose-WinWin-Winの2つをピックアップし、自身の所属するキャリア支援団体・エンカレッジでの例をもとに説明していきます。

Lose-Winな関係

私はエンカレッジで、10人規模が所属するセクションのリーダーを務めています。

昔から仕事をメンバーに振ることが苦手で、エンカレッジでリーダーとして活動し始めた当初も、「リーダーである自分がすべての業務に携わらなくてはいけない」「みんな忙しいから自分が頑張らなくてはいけない」と考え、無理矢理時間を作っていました。

当時はメンバー全員が自身の就職活動と同時並行で活動を行なっていました。メンバーたちが就活であまり稼働できていなかった時、ついその分の仕事も自分がやろうと考えてしまっていました。

しかし、私も例外なく自分自身の就活があり、物理的にも精神的にも厳しいと感じてしまうことがありました。その結果、次第に「自分にも就活があるのに…」と鬱憤が溜まるようになっていってしまいました。

このように、Lose-Winな関係は、自分がLoseな状況に置かれているため長く続きません。必ずいつか、なぜ自分ばかりが犠牲になっているのだろうかと鬱憤が溜まり、かえって危険な状態になってしまいます。そして、相手にマイナス感情が働いてしまい、Lose-Loseな状況に陥る可能性が高いです。お互い幸せな状況だと言えないでしょう。

Win-Winな関係

1年間セクションリーダーを務め先ほどのような失敗もしていく中で、私は次第に「メンバーを成長させられるリーダーになりたい」と強く思うようになりました。

そこで、2つのことを意識するようになりました。

①セクションの仕事をさらに領域として細分化し、それぞれにリーダーをつけること
②領域リーダーを固定ではなく全員で回すこと

現在は、しばらくの間メンバーとして頑張ってくれていた2人に領域リーダーを任せ、主体的に動いてもらっています。そして、これが彼らにとっても私にとってもWinにつながっていると確信しています。

【彼らにとってのWin】
①A&PROのリーダーシップ研修参加直後に、学んだことをエンカレッジの活動で活かすことができる
②エンカレッジで未経験のポジションを経験できる

【私にとってのWin】
①実行部分をメンバーたちに任せることで、自身はセクションの戦略やマネジメントに時間を使うことができる
②リーダー経験者が増えることでセクションで主体的に動ける人が増える

また、かつて同じ領域でリーダーを務めたメンバーが、その経験を活かして彼ら2人をサポートする役割を担ってくれています。

このように長期的な視点でメンバーの成長まで考えると、メンバーに任せることは相手にとっても自分にとってもむしろWinに繋がるのです。

Win-Winなチームを目指して

私自身、まだ時々Lose-Winな考え方をしてしまうことがあります。

しかし、Lose-Winな関係は長くは続かず、結果的にLose-Loseを招いてしまう可能性すらあります。短期的に見ると仕事が少ないことは相手にとってWinな状況かもしれませんが、長期的に見るとむしろ一向に成長することができなくてLoseに陥ってしまうからです。

本当にメンバー想いのリーダーでいるために、Win-Winな関係を目指してメンバーたちの成長を促しましょう

これから研修を受ける方々へ

A&PROの研修は、ただ学ぶだけではありません。自分が日々行なっている活動では現状どのように行動できているか、学んだことを今後どのように活かせそうか、ということまでその場で落とし込みます。また同時に、一緒に研修を受けるメンバーとのディスカッションを通じて価値を提供し合うため、自分に不足していた考えにも気づくことができます。今すぐ使える実践的な学びを得たい、自分自身も価値を提供したいという想いを持つ人に是非参加してほしい研修です。

研修で学んだこと

  • 第二領域は自分で裁量を持って設計できる
  • 計画を立てることで緊急中毒から逃れる
  • Win-Winができるリーダーであれ
  • Win-Winな解決策が見つからない場合、No-Dealという選択をすることも重要
  • 自分が理解されるためにはまず相手のことを理解する必要がある
  • 真の成功を収める人は、相違点について妥協案を取るのではなく、相乗効果を図った第3案を見つける
  • 肉体・精神・社会/情緒・知性を磨くことが大切(=全て第2領域)

この記事の著者/編集者

星野歩華 早稲田大学 文化構想学部  

早稲田大学文化構想学部複合文化論系所属。
大学1年次から3年次まで、下駄を履いて踊るという唯一無二のパフォーマンスをするダンスサークルの活動に熱中。広報部長を務め、コロナ禍だからこそできる新たなパフォーマンスを企画・発信した。
現在はキャリア支援団体にて1学年下の就活生の支援をしつつ、一緒に活動するメンターたちが一人前になれるようサポートを行っていくエントランス・育成に携わるセクションのリーダーを務めている。

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