リーダーは感動を作り出せ

クレド9.最後まで成し遂げる

中途半端な仕事を拒み、期待以上の成果を上げ、信頼を積み重ねます。自己流に固執せず、業務プロセス、報連相、守破離を積極的に取り入れ、堅実・大胆にプロジェクトを成し遂げます。

はじめに

早速1つのケースについて考えてみましょう。

皆さんは新規顧客獲得の営業メンバーです。現在、周囲のメンバーと同様のアプローチ数を達成しているにも関わらず、獲得数が伸びずに苦しんでいます。皆さんは課題をアプローチする顧客数不足だと踏んで、テレアポ先を拡大しようと考えています。

そこで直属の営業チームリーダーが、以下の2つの振る舞いをしました。皆さんから見て、ついていきたいと思えるのはどちらのリーダーでしょうか?

  1. メンバーの声を受け入れ、テレアポ先を効率的に見つける方法を教える。
  2. 1のアクションに加え、別の本質的な問題である顧客獲得率が低いことに着目し、テレアポの方法に問題がないかマンツーマンで確認し正しいテレアポ方法を直伝する。

多くの皆さんが、2つめの振る舞いを選択したことでしょう。

元々、メンバーの期待は「テレアポ先を増やす方法を知りたい」でした。しかし、2のリーダーは期待に応えるだけでなく「顧客獲得率の低さに着目し、マンツーマンで方法を直伝する」という期待を超えたアクションをとりました。

2つめのような期待を超えるアクションを取れるリーダーは、メンバーに感動を生みます。感動を生むリーダーは、メンバーから強力な信頼を獲得します。

本記事ではリーダー人財に向けて、感動を生むとは何か(What)、なぜそうなる必要があるか(Why)を考えていきます。

期待を超えるとは?

まず、期待を超えるということは感動と直結するという点について考えます。

少しリーダーという視点から外れて日頃の「感動」について考えてみましょう。ここ1年で皆さんが「感動した!」「これはありがたかった!」と感じたシチュエーションを思い浮かべてください。

どんな情景が思い浮かぶでしょうか?

私の場合は、スターバックスで店員からいただいた一言が直近の感動体験です。

池袋駅の店舗でコーヒーを飲んだ後、地元でも一杯しようと考え埼玉県の店舗にてコーヒーを購入した際にこのようなことを言われました。

「池袋からわざわざ移動して来店していただき、ありがとうございます。」

本当に些細な一言でした。しかし、移動で少し疲れていた私にとって感動ものの一言でした。この言葉は私の心に残っており、実際そのスタバ店舗に何度も再訪しています。

これら感動した経験に共通することは、まさに「期待を超えている」という点です。先ほどのスターバックスの事例であれば、

  • 期待:二杯目のコーヒーを飲みたい
  • 実際のアクション:コーヒーを提供しただけでなく、相手の疲れを和らげるような一言を追加した。
  • 感動:移動して少し疲れていたところに対して、労いの言葉をもらえた。

となります。

そして感動は、その対象に対して一生残るイメージになるという特徴があります。人の心からすぐには消えません。私の事例であれば、先ほどのスターバックスの店舗は、感動を与えてくれた店舗として私の中で記憶され続けます。

ここまでで、

  1. 期待を超えることは、感動を生むことと等しい
  2. 感動は一生残るイメージとなる

ということが理解できたかと思います。

なぜ感動が必要か?

では、なぜリーダーは感動を作り出す必要があるのか?それは、メンバーから強力な信頼を獲得することにつながるからです。

これは、私自身が所属するキャリア支援団体での経験を通して強く感じたことです。

私は企業イベントを管轄する領域の長を務め、「就活生に企業イベントを必ず届け、企業にも就活生を必ず届ける」というミッションを背負っていました。夏までは新型コロナウイルス感染拡大の状況に就活市場が対応できておらず、企業イベント数も多くなかったため部署内で十分に対応できていました。

しかし秋になり、オンラインでのイベント開催が一般的な選択肢となったこと、新卒採用へ動き出す企業の絶対数の増加から、予想を上回る夏頃の約3倍のイベントが殺到し、一気にリソース不足となり領域のメンバーは疲弊しました。

この時、メンバーの中では、
「誰かカバーできていないイベント対応を少しでもサポートをしてほしい」
という強い期待がありました。

その期待に対し、私自身はキャパオーバーに陥っていたために期待に応えることもできていませんでした。しかし、この状況を見た私の直属のリーダーが、他の業務もあり忙しいのにもかかわらず、
「カバーできていないイベント対応を全て引き受ける」
という期待を超えるアクションをとり、窮地を救いました。

この直属のリーダーはこの一件でメンバーに感動を与え、強力な信頼を獲得していました。私自身、領域長としてこの感動を受け取り、直属のリーダーへの信頼はさらに強まりました。

このように、リーダーは感動を作り出すことで強力な信頼を獲得することにつながります。特に今回の例のようなピンチの状況では、期待に込められる感情が非常に強くなり、期待に応えられないと簡単に失望を生み、逆に期待を超えると強烈な感動を生みます。

つまり、リーダーにとって「ピンチ」は感動を生み出す「チャンス」になります。日頃からメンバーの期待を超える行動をすることはもちろん、ピンチの時こそ特にメンバーに頼られる行動を徹底することで感動を与え、強力な信頼を得るリーダーを目指しましょう。

最後に

ここまででリーダーが感動を生むことの重要性、必要性について考えてきました。要約します。

  • 期待を超えることは感動と直結する。
  • 感動を生むことでリーダーは強力な信頼を獲得できる。
  • 感動を生むチャンスは、チームのピンチである。

感動が生まれる時間自体は一瞬です。しかしそのためには日頃のメンバーの行動から相手の潜在的なニーズを把握することが重要です。その上で、潜在ニーズに対してアクションを取っていくことで感動が生まれていきます。

最後にそれぞれのフェーズについて参考となる記事を紹介します。是非読んでください。

1. 日頃から相手の潜在的なニーズを把握する。
相手の話、どれだけ聴いていますか?
2. 潜在ニーズに対してアクションを取る。
「聴き、伝える」ことで真の価値へ

この記事の著者/編集者

山嵜晴貴  早稲田大学 先進理工学部 

事業家志向の早大理系4年生。
大学1年次にインドへ渡航し、新興国での社会課題解決に興味を持つ。
2年次の経営コンサルインターンと起業家講座の学びから、ビジネスを通じた課題解決を志向。
将来は新興国で社会インフラとなる事業を創ることを夢見る。
現在は、その一歩として日本の学生の自立支援を志し、キャリア支援団体に所属。企業イベント領域のリーダーを務める。

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