他者の時間は簡単に奪えてしまう。他者の時間を大切にできていますか?

クレド5.時間の有限性を理解する

限りある時間を有意義に活用するために、準備を徹底していきます。自分の時間を大切にしなければ、他者の時間も大切にすることはできません。他者(顧客・提携先・メンバー)の時間を尊重することで、自分の時間も尊重されます。

はじめに

「意識せずに他者の時間を奪っている」そんなことがよくあることをご存じですか?もちろん、他者の時間を大切にしている人なら、そのような事例に当然気づいていることでしょう。しかし、まだまだそのことに気づけていない方も多くいると考えています。

例えば、会議での発表など。手間取ることなくスムーズに発表できていますか?機械トラブルを起こし、発表を長引かせている人を見たことはありませんか?

これは、実は他者の時間を奪っている行為です。

このような視点を持てると他者を大切にすることができるようになり、信頼を得られるようになります。

オンライン授業での経験

コロナウイルス蔓延の影響を受け、私の通っている大学では授業がオンラインで行われるようになりました。

私は授業の開始時間に合わせ予定を調整し、パソコン・Wifiなどの通信環境を揃え、授業に向け準備をしていました。授業で使われるZOOMへの入り方も確認し、自分にできる準備は全てしたつもりでした。もちろん、教授側も同様の準備をしているだろうし、スムーズに授業が進むのだろうと考えていました。

しかし、いざ授業がはじまるとその期待は裏切られることになります。教授側で音の出し方が分からない、画面が写らないなどのトラブルが起き、授業がまともに進まなかったのです。結局私達は教授がパソコンの使い方を理解するまで待たされることになりました。

こちらは予定を調整し、時間を確保していたのに…

機械が苦手なことを言い訳に準備を怠った人が1人いたことで、何十人といた生徒の時間が犠牲になったのです。

これが他者の時間を奪うということです。時間を奪っている本人はそのことに気づいていないでしょう。「ごめんね、機械に弱くって」と謝罪はするものの、「機械に弱いから仕方ないよね」という気持ちが伝わってきました。

しかし、このようなことを実は私達もしている可能性があります。私も以前、人前で発表をする際に、PowerPointを上手く表示することができず、他者を待たせてしまったことがありました。

「自分が他者の時間を奪っている」という視点を持つことで、他者を大切にできる人に近づくのないでしょうか?

人の時間を奪わないために

他者と何かするとき、私たちは他者の時間をいただいています。他者を大切にすることは、他者の時間も大切にすることです。他者を尊重するというのなら、他者の時間も尊重すべきでしょう。時間をないがしろにすることはできません。

そのため、他者の時間をいただく際、私達は他者に有意義な時間を提供する必要があります。いただいた時間を有意義にするために、私達は何ができるのでしょうか?

それは「準備」です。

当然のことだと思われるかもしれませんが、準備をないがしろにしてしまう人は多くいます。また、準備を怠ると先ほどのように他者の時間を奪うことになります。

例えば、先ほどの授業を例に考えてみると、以下のようなことが準備として考えられるでしょう。

  • PowerPointが正しく動くか
  • PowerPointの内容に間違いがないか
  • ネットワークに接続できているか
  • 接続が切れた場合の対応方法を考えているか
  • マイク、イヤホンは正しく動くか
  • 生徒がZOOMに接続できる環境を作っているか
  • 人数制限がかかっていないか(全ての生徒が参加可能か)

他にも準備すべきことがあるかもしれません。普段から準備を大切にし、学び続けることで準備すべきことの理解は深まります。普段からの訓練が失敗のない行動に繋がり、他者の時間を尊重することに繋がると考えています。

人の時間をいただく

私達が他者と何かするときは必ず「他者の時間」をいただいています。例えば、ちょっとした活動報告も他者の時間をいただく活動です。報告内容の要点をまとめられず、グダグダと長い報告を行うと、他者の時間を奪うことになります。話の要点をまとめ簡潔に伝えることで、他者の時間を大切にすることができます。短縮された時間の分、他者は有意義なことに時間を活用できるからです。

このような小さなことから「準備」が大切になります。私達の行う活動は準備が必要な活動に溢れているのです。他者の時間を尊重するために準備は欠かせません。私自身、他者の時間を大切にするためにも時間の有限性を理解し、準備を怠ることなく活動していこうと思います。

この記事の著者/編集者

長谷川拓志   

東京都出身。高校時代はハンドボール部に所属していました。大学に入ってからはバドミントンサークルに所属しています。趣味はスノボや山登りなど、自然に触れながら体を動かすことです。毎回の研修で得たものを実践し、価値ある記事を作っていきます。

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