自分の役割を全うし尊敬し合えるチームになる

クレド2.互いに尊敬し合えるチームであれ

尊敬し合えるチームでなければ、最高のサービスは提供できない。プロ同士、互いに馴れ合いを排除する勇気を持って「尊敬される努力」と「尊敬する努力」をし続け、長所を生かし合えるチームを作ります。

身内にこそ尊敬の姿勢

普段チームのメンバーを尊敬すること、できていますか?

サービスを提供する相手に対してであれば、ホスピタリティを発揮するよう心がけることができているかもしれませんが、同様にチームメンバーへの尊敬も必要ということをこのクレドは述べています。

「尊敬される努力」と「尊敬する努力」について、私はそれぞれ、

尊敬される努力=組織内での自身の役割を全うすること
尊敬する努力=相手や周囲のメンバーの役割・貢献を尊重すること

と考えました。これは、サービスや製品が、全員が役割の1つ1つを果たすことではじめて成り立つものだからです。全員がそのことを理解し、自分もまた周囲に貢献できるように努力を重ねることにより、尊敬し合える組織を作り上げることができます。

引退前最後の主催イベント

最近、自身と周囲の役割について考える機会がありました。

私は大学にて、今秋まで英語サークルの代表を務めていました。つい先日、引退前最後のメインイベントとなる、他大学の学生を招待して行うオンラインのディスカッションイベントを主催し、私はその総括を務めました。

このディスカッションという活動は、あるトピックについて5、6人のグループで1人が進行役になり議論するというものなのですが、他大学の学生を招待するイベントということもあり、例年準備には4ヶ月ほど時間をかけています。

具体的には、

  1. トピック班:トピックを考案し、主に初めて進行役を務める1年生に対しての練習を管理する
  2. セレモニー班:トピックの内容を劇や映像にして解説し、開会/閉会式のコンテンツとして流す
  3. デザイン班:ゲスト向けパンフレットやトピック解説資料等を作成する

に分かれて準備を行います。

当日のパンフレットの表紙

メンバーは通常いずれかの班に所属するのですが、私の場合は総括として、3つの班や全体の動きを把握、管理する役割を担いました。昨年や一昨年は班のメンバーとして動画編集等を行っていた中、総括の役割は、各班の会議への参加や進捗の確認を行った上で、班長同士ともミーティングを行い、全体のスケジュール調整などを行うというものでした。

しかし、最初の頃は特に、会議にて班長の計画に不足があったことなどから、各班長の仕事であるにもかかわらず私が先回りして議論を進めてしまったり、班長が気づくべき点を、考えさせる時間を設けないうちに指摘しまうこともありました。

そのように各班に介入し続けていると、その他に行う必要のある自身の仕事に目が届かないことが起きました。また、総括が「木を見て森を見ず」という状況に陥ってしまえば、班の間の連携ができなかったり、全体への連絡が届かなかったりします。そのことに気付いてからは、介入したい気持ちを抑えて、全体の進捗を確認する役割に徹することとしました。

私はマネジメントがとても苦手というわけではなく、むしろ全体スケジュールの調整等では大きく周囲に貢献することもできました。しかし時には、自分はプレイヤーになりすぎてはいけない、という部分に歯がゆさを感じる時もありました。

班の間のスケジュール調整を行った

それでも、各班長を始めとした後輩が仕事を行う姿を尊重し、あくまで管理する立場に徹した結果として、2年生が中心となり各班の活動を見事に完成させてくれました。

本番のゲストに向けたアンケートでも、5段階評価で平均4.7ポイントをいただくことができました。

この際感じたのが、「今まで総括はとても大きな存在と感じていたが、総括一人だけでは何もできない」ということでした。今年は例年と異なり、下級生に班長を任せたこともあり、余計にプレイヤーではなくマネージャーとしての側面が多かったことも影響していたかもしれません。

実は、ムービーでの劇について、ミュージカル形式で歌って踊る場面を入れたいという私のアイデアが当初からあったのですが、これについても具体的に振り付けを考え、実現してくれたのは後輩たちです。

互いを尊敬する姿勢を持ち続ける

最初は相手の仕事の領域を侵してしまい尊敬できているとは言い切れていませんでした。しかし、自分の総括という役割を果たすことに徹するという、尊敬される努力を行うことが、後輩に仕事を任せるという、尊敬する努力ともつながり、イベントの成功につながったと感じます。

後輩の活躍を振り返ってみれば、今は「尊敬しなければ」と思わずとも自然と尊敬できる頼もしい後輩です。

このイベントを機に私はサークルを引退しますが、どこに所属していても、お互いの役割を全うする姿勢を意識し続けます。

この記事の著者/編集者

田村稔行 早稲田大学 基幹理工学部 情報通信学科  

高校時代から英語の部活、サークルでの活動を続けており、大学では理工学部生向け英語サークルの代表を務めました。
更に、大学1、2年生がキャリアついて考える機会を提供すべく、大学生向け就活支援の学生団体「エンカレッジ」で活動。記事執筆やSNSの運用を行っています。

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